自分たちの価値観に照らして「趣味的な出費」の見直しを

妻 どれくらい趣味的な出費を削れるかが分からないと、家の予算は決められないですか?

中嶋 住宅の場合はこれ以上下げられないというラインがあると思いますので、欲しい家を買えるかどうか、と考えるほうが現実的かなと思います。先ほどの5000万円の住宅購入を実現することから逆算すると、年間60万円の削減は最低ラインですね。そこは海外旅行の分ですから問題ないとして、もう少し頑張って、トータルで年間100万円、できれば150万円くらい削れれば余裕ができると思います。住宅ローン減税も10年後には無くなりますからそこも考慮する必要があります。年間で40万円程度の減税効果が消えるのは影響がかなり大きいです。

夫 住宅ローン減税ってオマケ的なものだと思ってたんですけど、結構大きいんですね。

中嶋 4500万円のローンであれば10年で400万円くらいになりますから、相当大きいですね。教育費も私立コースをお考えであれば、100万円以上支出を削っておかないと将来子どもが中学校に進学して住宅ローン減税が消えて、それ以降は大学を卒業するまでずっと収支がマイナスです。ただ、給料アップも期待できるということですので収支の改善をすべて支出カットで賄う必要は無いかもしれません。収支の改善は収入と支出、両面で考えるべき点ですので。そこは収入アップの確実性がどれくらいか、という話になると思います。

夫 そのあたりは自分で考えないといけないところですね。シミュレーションしてみます。その結果次第で、5000万円の家を買うのか、それとももう少し下げるのか、生活費を落とすのか、落とさないのかということが決まるわけですね。今までこういう考え方が全くなかったので……すごくすっきりしました。

中嶋 「お金がかかるけどやりたい」というものもあると思います。ご家族にとっての優先順位が重要ですから、「自分たちらしい生活」を送るためにはどうしたらいいか、ぜひご夫婦で一緒に考えてみてください。お金の使い方はその人の生き方に直結する話です。受け身でこれくらいかかってしまう、という考え方ではなく、何にどれくらいお金をかけたいのか、というふうに自分自身でお金をコントロールしていただければと思います。そのための考え方が、先ほどお見せした自由に使えるお金と自由に使えないお金の話です。

妻 はい、頭の中がすごく整理されました。

夫 どこにお金をかけるべきか、自分たちで考えていかないといけないですね。お金の話を妻以外としたのは初めてでした。

【中嶋よしふみさんより】
レッスン後には奥様から面白かった!と言っていただけました。メリハリと優先順位、あとは生活費とそれ以外の支出に分類することで家計簿の管理は誰でもできるようになります。参考にしていただければと思います。

大切なのは、「自分たちらしい生活」を実現するための選択を考えること
大切なのは、「自分たちらしい生活」を実現するための選択を考えること

(構成/西山美紀 イメージ写真/鈴木愛子)