「不定期な支出」は、意外と定期的に発生する

中嶋 家計を見ると、自由に使えるお金が月に約25万円、年間300万円くらいあります。

夫 お小遣いは2人で5万円だとしても、年間60万円ですよね。あと200万円以上、何に使ってるんだろう。

妻 私の洋服かな……。月に5万円減らせば、年間60万円たまる。海外旅行に60万円くらい使いましたから、そこは無理なく減らすことができます。子どもが小さいうちは海外旅行に行くことはないと思いますので。

中嶋 60万円支出を減らせば、とりあえずは問題ない水準まで行きそうです。マイナスへの転落もなくなると思いますので。ただ、今後の不妊治療の費用が発生するかもしれないことも考えると100万円、200万円くらいかかるケースもありますし、税理士試験も資格学校の費用とか、安くないですよね。

妻 5科目合格しないといけないんですけど、1科目で10万~20万円、全体で60万~70万円くらいかかります。順調に2、3回の受験で合格できればいいんですけど、もっと時間がかかれば収入と費用の両面で影響があると思います。

中嶋 その状況だと今の貯金がゼロになってしまう場合もあるかもしれないです。これは将来的な支出ではなく、特に不妊治療はすぐに大きな支出が発生してもおかしくないですよね。預貯金だけでは足りなければ、積み立て型の保険からお金を借りる、「契約者貸し付け」というものを利用する方法もあります。あまりオススメはしませんけど知っておいていただければ。

妻 特別な支出はほとんど私のものだと思うので、できるだけ削っていきたいなと思います。化粧品とか洋服は結構買います。この前は8万円のお財布を買いました。家計簿では、特別支出に入れていますが。

中嶋 数年に1回しか買わないお財布なんかは、それほど気にしなくていいと思います。それより「不定期な支出が、定期的に出ていくこと」に注意です。矛盾している言い方になりますけど、臨時支出って案外定期的に発生するんですね。家電とか家具は毎月買わないと思いますけど、何かしら日常的ではない支出は定期的に発生する。海外旅行はかなり特別な支出なのでカットできると思いますけど、それ以外の支出は何も我慢せずに大幅にカットできるとは考えないほうがいいとは思います。大幅に支出を減らすには痛みを伴う削減、つまりリストラが必要になります。

妻 となると、時々気持ちが爆発して買ってしまう、洋服やバッグをやめようか……。

中嶋 おすすめなのが、先ほどお話ししたように出費を高い順番に並び替えることです( 「上」の記事参照)。生活費は一旦無視して、趣味的な支出を全体的に点検してください。買わないで済むものもあれば、買わざるを得ないものもあるはずですから。ただ減らすのでなく、優先順位を考えていただければ。

家計のイメージ(中嶋よしふみさん作成)
家計のイメージ(中嶋よしふみさん作成)