大事なのは家計簿のデータをきちんと分析すること

妻 今まで見えなかった数字がこんなに見えてきてビックリしました。マネーフォワードで管理はしていましたけど、毎月のお給料と収支くらいしか把握してませんでしたから。

中嶋 毎月の収支は、企業でいえば純利益と呼ばれるものです。純利益だけを見ていると中身が分からないのは当たり前なんです。ただ、数字の見方にはルールがあります。何十兆円と売り上げがあるトヨタ自動車みたいな大企業でも、決算書はシンプルです。売り上げから原価と販管費を差し引いて営業利益はいくら、といった具合に本業の利益を計算する際に含まれる要素は4つだけです。家計も同じようにシンプルでいいんです。給料から生活費とそれ以外の支出を差し引くと貯金額になる、という4つしか要素がない簡単な計算です。

妻 支出は2つに分ければ良いんですね。確かにシンプルで分かりやすいです。

中嶋 支出を2つに分けて考える、というのは一見すると面倒で複雑に感じるかもしれませんが、食費とか光熱費とか、1つ1つの項目を見るよりよっぽどシンプルです。お小遣いの中身について自分は口出ししません。余計なお世話ですから。使い道はお二人で優先順位を決めていただければと思います。必要な貯金額を確保できれば中身は関係ないんですね。

妻 食費が多いとか、もっと節約したほうが良いとか、今日はそういう話をするんだと思ってました。

夫 正直、今日こちらに伺うまで気が重かったんですけど理由はそこです。節約に関する話とか、あんまり聞きたくないなあ、と。

中嶋 個別の節約トークは聞かれない限りしないですね。食費が多いか少ないか、みたいな話はハッキリ言ってばからしいです(笑)。それぞれの家庭で決めれば良いことですし、ケースバイケースですから。なので、ケースバイケースではない話、生活費は安定していて、生活費以外の支出は乱高下する、といった構造的な部分に注目して家計を捉えないといけないんです。繰り返しになりますけど生活費は削りにくいので、支出を削るときに生活費に焦点を合わせるのは間違っています。

夫 生活費以外の支出をどうするか、そこはちゃんと話し合いたいと思います。ハイ。

中嶋 家計簿を作るところまではマネーフォワードのような家計簿アプリで簡単にできますけど、それを分析・把握するのはまだ簡単ではないんです。このあたりは正しい家計簿のつけ方とか分析の仕方は決まっていないので、決算書の作り方や分析の仕方を応用すると、今回みたいに把握しやすくなります。

妻 ちょっと分かってきました。

中嶋 家計簿も会社の決算書も、分析をすることが大事です。大抵の人はやりたくないと思いますけど(笑)、重要なポイントを押さえれば簡単です。「大ざっぱに管理する」「インパクトの大きい支出を把握する」という2つを実践してみてください。マイホーム購入と貯金がどうすれば実現できるかは、この後お話ししたいと思います。

 ――「解決編」に続く!

(構成/西山美紀 イラスト/エイイチ イメージ写真/鈴木愛子)