支出は「生活費」と「趣味的な出費」に分けて管理する

中嶋 これから家を買って、お子さんが生まれてと考えると、収支の把握は非常に重要です。家の予算はどれくらい貯金できているかで決まりますから。家計管理は収入は簡単に把握できますけど、支出の把握は面倒です。ただ奥様はマネーフォワードを利用しているので家計管理は簡単です。事前に頂いたマネーフォワードのデータをエクセルに貼り付けたものがこちらです。まず、頂いたデータをそのまま見ても意味が分からないと思いますので、こんなふうに加工しました。

(加工前)マネーフォワードの項目別の支出額と収入、収支
(加工後)マネーフォワードの項目を並べ替え、年間の総額と月平均を計算
加工後のデータをグラフにしたもの
(中嶋よしふみさん作成)

妻 へ~。

中嶋 エクセルで送っていただいたデータが加工前で手を加えてない状態です。収入と支出、その差額が収支、つまり毎月の貯金額はこれで分かります。ただ、収支が多いときでプラス87万円、少ないときでマイナス14万円。この数字だけを見ても全く意味が分からないと思います。ただ、これはどの家庭でも共通の問題です。旅行に行ったりちょっと高い買い物をしたりすると大きくマイナスに、何もしなければプラスに……ということで毎月の収支が乱高下してしまうので、どうやって数字を見ればいいか分からないんです。結果として家計簿なんてつけても意味が無い、という感覚になってしまいます。

妻 ほんとにそうです……5月に旅行に行ったときと、11月に歯の治療をしたときは特に支出が多かったと思います。あとはボーナスのタイミングがうちは5月と11月でちょっとズレてるんですけど、支出と収入が大きく動くので毎月何万円貯める、みたいな数字は決めても全然意味がありませんでした。

中嶋 どの家庭もそうなってしまうと思います。ただ、この問題を解決するのは簡単です。「基本的な生活費」と「生活費以外の支出」で二段階に分けて支出を管理すればいいだけです。加工後の表は項目の順番を入れ替えています。基本的な生活費は青字、お小遣い、趣味、臨時出費などの生活費以外の支出は赤字です。生活費の合計額と生活費以外の支出の合計額も出しています。

妻 加工後は順番を入れ替えただけですか?

中嶋 数字は全くいじってないですね。この分類だと、生活費は年間で330万円、1カ月当たりに直すと平均で27.6万円くらいです。実際の額もおおむねそれくらいです。大きく動いているのは歯の治療をした11月だけで、それ以外はなだらかに推移しているのが分かると思います。それに対して生活費以外の支出が年間で309万円、1カ月当たり25.7万円です。これは生活費と違って乱高下しているのがグラフから分かると思います。

妻 基本的な生活費が1カ月で27万円、生活費以外の支出が25万円……。

夫 初めて知りました。

中嶋 順番の入れ替えと、エクセルのオートサムで合計と平均を使っただけで特に難しいことはやっていません。何を生活費に含めるかで数字は変わってくるんですが、これくらいの分類で問題ないと思います。何で生活費とそれ以外という形で分類するかというと、「基本的な生活費」は生きている限り必ず出ていく支出です。それ以外の支出は無くても生きていける支出、つまりお小遣い的な支出です。同じ支出であっても、性質が全く違うんです。そこで切り分けています。

妻 こういう整理の仕方があるんですねえ。

中嶋 基本的な生活費には必ず発生することに加えて、「安定している」という特徴もあります。生活費の折れ線グラフがなだらかなのもそのせいです。家賃は毎月一定ですし、光熱費も季節で変わるとはいえ変動の幅はわずかです。お二人の場合は光熱費が多いときで1.5万円、少ないときで0.6万円、2.5倍の差があるとはいえ、9000円という額は27万円の生活費から見れば3%程度、支出全体で見れば2%以下と誤差の範囲です。

夫 夏とか冬は電気代が多い!なんて思ってましたけど、言われてみれば確かにそうです。

中嶋 食費も家族が増えたりしない限り乱高下することは無いんですね。頂いたデータで食費はある程度上下していますけど、これは日常的な食費に本来お小遣い的な支出である高価な外食も混ざっていることが原因だと思います。生活費以外の支出はグラフが大きく上下していますので、これが家計全体の収支により強く影響を与えている事も、パッと見で感覚的にも分かっていただけると思います。

妻 スーパーで買った食費と外食は小さい項目だと分かれているはずですけど、大きな分類だと一緒になっていると思います。

中嶋 結局、収支のブレは生活費以外の支出によって生まれるんです。これはお二人の家計だからこうなのではなくて、すべての家庭が同じ構造です。なので、基本的な生活費は総額を把握しておけば十分です。毎月の変動も大きくありませんから、中身を見る必要もあまりないです。生きている限り必ず出ていく、安定している、ということは別の言い方をすると「削りにくい」ということでもあります。ですから細かく見たところで、どっちにしろ削れないので見てもあまり意味がないんですね。今の数字はその金額になるだけの必然性がそれなりにあるわけですから。これもどの家庭でも同じです。