生きていれば、必ずあるのが悩みのアレコレ。子育て、仕事、人間関係…など様々な読者の悩みに、著名人や専門家が答えます。
(日経DUAL特選シリーズ/2018年3月収録記事を再掲載します)
<読者の悩み>
優等生の長男が突然不登校。原因が分からず、親の心も不安定です。
Q. 長男は小学1年生。入学してから勉強も友達関係もトラブルはなく、学校も学童も楽しそうに通っていました。しかし、3学期に入ってすぐに学校、学童に行きたくないと言い出し、戸惑っています。
もう1カ月以上休んでいますが、子どもに原因を聞いても分かりません。先生や友達の話ではいじめやいじりのようなことはなかったようで、むしろいじめられている友達をかばってあげたりしていたようです。勉強もまあまあできていたとのこと。
フルタイムで働く共働きとしては、日中に子どもをどうしたらいいのかという悩みもあり、毎朝「今日も行かないの?」と聞き、うなずかれるたびにハァーッとため息をついたり、イライラした態度で子どもに接してしまいます。今は夫と交代でテレワークをしたり、祖父母の協力を得たり、シッターさんにお願いして乗り切っています。
子どもの気持ちを大切にしたいので、引きずってでも連れて行くようなことはしたくありません。もちろん、本音は学校に行ってほしいです。どんなふうに子どもと接したら改善していくでしょうか。
(40歳女性、子どもは7歳)
共働きが増えてきて、職場でも子どもが病気で休むことへの理解は得られやすくなっています。しかし、不登校となるとまだまだ難しいですね。言い出しにくいかもしれませんし、いつ起こるかも分かりません。共働きでお子さんが不登校になったママ・パパは本当に大変だと思います。相談者の方もよく頑張っていますね。
ところで、不登校というと、どうしても原因を学校やお友達関係に求めがちなのですが、意外と多いのが家族の中に原因があるということ。例えば夫婦で口論しているところを子どもが目撃してしまったり、仕事が忙しいあまり、夫婦間での会話がなくなっていたりしていませんか? お正月にパパの実家でママがおしゅうとめさんに意地悪を言われているのを見てしまった、ということもあるかもしれません。
ママ・パパ(そしておしゅうとめさんも)は実際には仲が良くて、たまたま話し合いがヒートアップしていただけだったかもしれませんね。でも、それを目撃した子どもの心は傷ついてしまっています。家庭が揺れていると感じると、子どもは家から動けなくなるケースがあります。「自分がここにいないと、ママとパパがお別れしてしまうかも」と思ったり、「ママとパパが別れるなら僕を半分こにして」と思い詰めてしまったりした子も実際にいます。
家庭で思い当たることがないとしたら、学校に原因があるかもしれません。優等生でお友達にも優しいお子さんだということですね。こういったお子さんは、本人が𠮟られていなくても、お友達が叱られたり、いじめられたりしているのを見て、ショックを受けて動けなくなってしまうということはあります。正義感も感受性も強い大人びたお子さんは、自分が何かされたというのでなくても、不登校になってしまうことがあるのです。
ではどうすればいいのでしょうか。
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