<新中義一さんの回答>

共働き家庭の幼稚園受験は増えていない。私立のこども園を検討してみては?

A. かつては小学校受験で、母親が働いている家庭は好まれないと言われていましたが、現在ではほとんどの小学校は共働き家庭に理解があり、歓迎する学校もたくさんあります。そのため、小学校を受験する共働き家庭は年々増えています。

 しかし、幼稚園は、今でも母親が専業主婦の世帯が多く、入園後もお誕生日会やお祭りなど、様々な園の行事に親の協力が当たり前に求められ、平日でも親の参加が必要なケースが多いです。特に教育に熱心な、いわゆる“お受験幼稚園”ならなおさらです。ですから、無理に私立の幼稚園に入園させたところで、その後の親の参加負担を果たせないのならば、無理して幼稚園に入園させないほうがいいでしょう。実際、共働き家庭のお子さんが幼稚園受験に挑戦するケースはそれほど増えていません。

 ただし、小学校や中高校、大学までなど、その後、エスカレーター式で進学できる学校で、「その後の教育まで考えたうえで、ぜひこの学校に通わせたい」と思えるような学校があれば、検討の余地はあります。最近では、昭和女子大学附属や新渡戸文化など、もとは幼稚園だった園がこども園になり、長時間保育をする園も増えていますので、そういったところであれば共働きでも可能かと思います。

「小学校受験には幼稚園卒のほうが有利」、ということはない

 小学校受験には幼稚園卒のほうが有利かというと、そんなことはありません。最近は保育園出身だからという理由で、小学校受験でマイナス評価を受けるということはありません。一般的には、保育園出身の子は、色々な年齢の子と普段から接する機会が多いことから、コミュニケーション力が高いという評判もあります。初めての子たちで一緒に活動するような行動観察が重視される小学校受験では、個人差はあれ、保育園出身の子は物怖じをせずに仲良くなれて、有利に働くかもしれません。

 ちなみに私立大の附属幼稚園などの有名私立幼稚園への受験を考えているようであれば、入試は年長の10~11月に行われますので、その約半年前から準備を始めることを勧めています。

 幼稚園受験は、「親が7割、子どもが3割」と言っても過言でないくらい、親が重要な役割を占めています。子どもはまだ3歳くらいとなると、親の影響が多くを物語るからです。

 また、小学校受験では、学校の雰囲気が受験する家族や子どもに合っているのか、学校の教育方針や校風への理解があるのか、家庭の子育てや方針はどうか、そして学費や寄付金をきちんと払っていけるのか、といった辺りが見られています。子どもが入試で見られるのは、主に「生活習慣」「言語能力」「運動機能」です。具体的にいうと、生活習慣なら、一人でトイレに行けるか、年齢や名前などの質問にきちんと答えられるか……など。言語能力なら、人の言うことを聞き、理解できるか。運動機能では、ボール遊びや大縄遊び、かけっこなどを楽しんでできるのかなどが問われます。家庭でもそういったことを少しずつ自分でできるようにしてあげられるといいですね。

共働き家庭の幼稚園受験は増えていない。私立のこども園を検討してみてはどうだろう

(取材・構成/岩辺みどり、イラスト/霜田あゆ美、撮影/鈴木愛子)