相談者のプロフィール

<カップルの仕事と年収>
■N男さん(36歳)/正社員・メーカー 年収955万円(税込み)、月給35万円(手取り)、ボーナス240万円(夏冬手取り合計)
■E子さん(31歳)/正社員・教育 年収629万円(税込み)、月給25万円(手取り)、ボーナス160万円(夏冬手取り合計)

<現在の貯蓄や金融商品>
■普通預金782万円、外貨預金356万円、投資信託58万円、海外投資信託484万円、日本株式67万円、海外株式21万円(N男)
普通預金200万円(E子)
■2人とも毎月決まった額の積み立てなどはしていないが、N男さんは年250万円ほど、E子さんは年80万円ほど貯蓄できている

<加入している保険>
■月4000円の生命保険、月7000円の自動車保険、年1万2000円の地震保険に加入(N男)

意外と分かっていない、自分の会社の退職金制度

FP前野彩さん(以下、敬称略) もうすぐ入籍されるとのこと、おめでとうございます。

相談者E子さん(以下、E子) ありがとうございます。結婚すると転勤の可能性もあったりして、今後どういうふうに貯蓄していけばいいのか気になっています。あとは現状の二人のお金の使い方が平均と比べて使い過ぎではないかも知りたくて、今日はパートナーにも一緒に来てもらいました。

相談者N男さん(以下、N男) 結婚するに当たって、二人で今後の人生設計を考えてみたんですが、実現するためにはどのようにしていけばいいのか、教えていただきたいです。

前野 分かりました。それでは家計の現状把握をしつつ、 (1)使い過ぎ項目はあるのか、(2)ライフプランに沿って今後どれくらい貯蓄していけばいいかの2点について、お二人の考え方や性格も含めてアドバイスしていきたいと思います。ベースとなるのは事前に書いてくださった「現状記入シート」(※)です。

 初めての場所に出かけるときは、路線検索やナビを使いますよね。でも、今いる場所が分からないと行き方が調べられない。お金のことも同じで、「自分たちの現在地はどこか」を正確に把握することが必要です。

※前野彩著『本気で家計を変えたいあなたへ<第3版>』掲載の現状記入シートを使用

E子 はい、よろしくお願いします。まだ婚約中なので平日は別々に生活しています。「現状記入シート」に書き込んだのは、一人暮らしの支出を元に、二人で暮らしたらこうなるだろうという予想を記入しています。

前野 分かりました。N男さんは転勤の可能性が今後あるんですか?

N男 そうですね、基本はエリア内の転勤なんですが、短いと2~3年、長くて5~6年のスパンで転勤があります。

前野 E子さんは結婚・出産などを経ても、正社員でずっとやっていきたいなというお気持ちはありますか。

E子 はい。自立していたいという思いがあるので、仕事はずっと続けたいです。

前野 お二人ともお仕事を続けられるということなので、今度は、それぞれの職場の退職年齢と退職金制度について教えていただけますか。

N男 職場の定年は60歳です。退職金制度については…2000万円くらいでしょうか。あんまり詳しくないですね。

前野 目安としていくらくらいの可能性があるのか、先輩たちに確認するという方法もありますし、職場の退職金規程を見ればポイント制なのか、給料の何カ月分なのか、というのがだいたい分かります。一度そこを確認してみてくださいね。では、60歳でいったん退職した後、そのあと年金をもらう65歳まで、再雇用などでお仕事しようかなという気持ちはありますか?

N男 そうですね。再雇用制度で働きたいですね。たぶん年収は400万~500万円もらえるかどうかというところでしょうか。

前野 分かりました。E子さんの会社はいかがですか。

E子 私の会社も60歳が定年です。退職金については、ちょっと分からないです…会社の制度を全然把握していなくて。