「夕飯時間を変える最強ルール」特集、前回は毎日の夕飯の支度のモチベーションアップには、まず「動線を整えること」が重要で、次に「買い出し」、そして「味のネタ帳作り」がポイントになるという話を、料理家・おもてなしプランナーの高木ゑみさんにお聞きしました。

 とはいえ「時間がない!」「手際よく作業したい」という場合、味のネタ帳作りはすぐにはできないかも…としり込みしてしまうかもしれません。

 そこで今回は今日からすぐにできる、「効率アップ&献立作成」に役立つレシピ&技を、料理研究家の武蔵裕子さんに具体的に教えていただきました。仕事しながらの夕飯時間をすんなり回せるようになる、最強の「ついで下準備」とは。

【夕飯時間を変える最強ルール】
(1) 高木ゑみ 夕飯作りは献立や買い物より収納改善が先
(2) 武蔵裕子 献立は“ついで下準備”で回していく ←今回はココ
(3) 献立・栄養管理はカレンダーで 倍量料理で作り置き
(4) 白いご飯しか食べない…年齢別食のお悩みQ&A
(5) 編集部員のリアルなレトルト・冷凍活用術大公開

週末に作り置きしなくていい! 日々のついで下準備とは

 1週間の献立は、まとめて考えられれば一番いいとは思いつつも、毎日使う材料も調理法も味も違ったものを…というのはなかなか難しいところ。また、「週末にまとめて1週間の作り置きをする」という提案をよく見かけますが、そのために週末の数時間~半日を使うのはちょっと惜しい。ましてや子どもの習い事やスポーツ活動などの付き添い、家族でのお出かけなどが入ったら、ただでさえ週末は買い出しにも行かなければならないのに、クタクタで料理なんてとてもとても…。

 そんな話を料理研究家の武蔵裕子さんにしたところ、「それなら、日々の料理のときに“ついで”に下準備するといいですよ」とご名答が!

 「月曜日の副菜のけんちん汁のために使ったにんじんの残りをついでにカットしておいて、火曜日の副菜のごまいために使うとか、何かを作ったついでに多めにカットしたり、味付けの和風ダレや中華風ダレを2倍作ったりしておいて、翌週にも使うとか、ほんのちょっとの“ついでのひと手間”でできることを取り入れると、メニューを考えるうえでもグッとラクになりますし、何より時短になりますよね」と武蔵さん。ついでに切った野菜は1週間程度、混ぜたタレは10日程度、冷蔵保存で十分使いまわせるといいます。

 そんな「ついで下準備」を活用する、平日月曜から金曜までの5日間を想定した武蔵さん鉄板の献立がこちらです。

「ついで下準備」最強献立
月曜日:「折りたたみ豚のチーズ風味照り焼き」と「かんたんけんちん汁」
火曜日:「甘塩鮭のトマト煮」と「にんじんとベーコンのごま炒め」
水曜日:「海南風炊き込みチキンライス」と「大根と納豆のみそ汁」
木曜日:「豆腐のチリソース煮」と「ブロッコリーのツナマヨがけ」
金曜日:「鶏むね肉のしょうが焼き」と「たっぷりキャベツとベーコンのスープ」

 次ページからは具体的なレシピ&ついで下準備ポイントを見ていきましょう。なお材料は基本的に2人分で書いてあります。家族構成や子どもの年齢、味の好みなどで増減することをおすすめします。

<次のページからの内容>
● ついで下準備の基本はついで切り
● 合わせ調味料は多めに作れば後から使える
● 1株で買ったブロッコリーは?
● レタスは使うたびに出して洗わず一度に洗う
● チリソース、2倍作って翌週はエビチリに!
● ついで下準備した素材を使い切って金曜日はラクラク