毎日頭を悩ませる、日々の夕食作り。メニューを考えるのも、調理するのもなかなかの負担という人は多いのではないでしょうか。

 材料も時間も無駄なくと思っていても、子どもの昼食メニューと重ならないように考えたり、2品は作らないとと思うと仕事帰りに買い物に行くことになってしまったり、なんだかんだで「大変だな…」とだんだんモチベーションが下がり、さじを投げたくなる日も出てきそうです。

 そこで今回日経DUALでは「面倒くさい!」「やる気が起きない…」というモチベーション面、「時間がない!」「手際よく作業したい」という効率面、「子どもの栄養バランスを整えたい」「味に変化を持たせたい」というメニュー面から、夕飯時間を変える最強ルールをご提案! 料理家・おもてなしプランナーの高木ゑみさん、料理研究家の武蔵裕子さん、食育・卓育スペシャリストのとけいじ千絵さんに、様々な視点からアドバイスをいただきます。

 1回目は「面倒くさい!」「やる気が起きない…」というモチベーション面に効く、「キッチンの動線作り」。高木ゑみさんが「まずは環境づくりから」という理由とは?

【夕飯時間を変える最強ルール】
(1) 高木ゑみ 夕飯作りは献立や買い物より収納改善が先 ←今回はココ
(2) 武蔵裕子 献立は“ついで下準備”で回していく
(3) 献立・栄養管理はカレンダーで 倍量料理で作り置き
(4) 白いご飯しか食べない…年齢別食のお悩みQ&A
(5) 編集部員のリアルなレトルト・冷凍活用術大公開

行ったり来たりしないための動線作りとは?

 メニューを考えて材料をそろえて作って…。料理は工程の多い家事の代表です。始める前から作るべきメーンが決まらずに「ああ、面倒」と思ってしまうこともあるくらい。まずは「やる気」を改善するために、どこから手を付ければいいのでしょう。材料をそろえるところ? メニューを考えるところ?

 料理家・おもてなしプランナーの高木ゑみさんは「まず初めにすべきことは、環境づくりです」と言います。

 キッチンにいて、ストレスを感じるのは「右往左往する時間が多いから」と言う高木さん。それなら行ったり来たりしなくてよくなるように、環境を整えてしまえばいいというわけです。

 特に、スムーズに動けるような動線を整えるためには、収納が重要だといいます。

 「キッチンに収納されている鍋、調理器具、お皿、ストック品などは、引っ越してきたときに収納したスタイルをずっと踏襲していることが多いもの。思い切って中身をすべて段ボールに出してしまいましょう」と高木さん。

 「手に持つものは付箋とペン。ポテトサラダ、カレー、スープや味噌汁を一気に作るというシミュレーションをします」

 カレーやポテトサラダの材料となるジャガイモやニンジンなどの野菜をごろんと置き、ピーラーで皮をむいて…となるとピーラーは水回りの近くにあったら便利。だから「ピーラー」と書いた付箋を水回りに貼る。包丁やまな板も要るな、と思えばそれも付箋に書いて貼ります。

 「カレーを作るための大きい鍋や油、いためるためのヘラもあったら便利となれば、コンロの下、“火回り”に収納する。一方でポテトサラダのじゃがいもをゆでたり、ゆで卵を作ろうとなると水を張るので、コンロ下から出してくると遠い。だったら水回りの下に軽い行平鍋があれば便利」というように、エアー料理でどこで何を使うかを判断し、付箋をどんどん貼っていくわけです。

キッチンにいて、ストレスを感じるのは「右往左往する時間が多いから」と高木さん
キッチンにいて、ストレスを感じるのは「右往左往する時間が多いから」と高木さん
<次のページからの内容>
● 鍋やフライパン、お玉やフライ返し…1カ所に収納しない
● 複数の場所でよく使うものは複数用意
● いつも時間がかかるのはどんな作業かを考える
● よく使うものを自分なりの1セットに
● 買い出しを見直し! まとめ買いする
● レシピは参考程度でいい
● 自分がどういう“味付け”ができるのかを把握