大久保さん夫婦は、共に医療機器業界で会社勤めをしています。夫の隆さん(44)は、妻のみゆきさんが1人目育休から職場復帰するころから家事・育児に本格的に取り組むようになりました。「夫は元々、きれい好き。一人暮らし経験もあるので、家事に抵抗はなかったようです。とはいえ、私の復帰2カ月ぐらい前から『復帰したら今まで通りではいかない、やってくれないと復帰したらどうなると思う?』と私から伝えて、2人で話し合いました。お互いのタイムスケジュールが落ち着くまでは、ケンカの絶えない葛藤の時期もありました」(みゆきさん)。

お互いに葛藤があったからこそきちんと話し合い、2人で上手にやりくりする方法を探しました
お互いに葛藤があったからこそきちんと話し合い、2人で上手にやりくりする方法を探しました

 隆さんは営業職です。みゆきさんの言葉を受けて、営業のアポイントを日中早めの時間に入れるなど努力して仕事をセーブ。夜19時ごろまでには帰宅できるように働き方を変えました。現在、夕飯時の食器洗いはほぼ100%、朝食時の食器洗いも80~90%が隆さんの担当になっています。

「トータルでうまく回すために家事・育児の流れを組み立てるのは私の方です」とみゆきさん。工夫している点はあるのでしょうか。「夫が一生懸命お鍋を洗ってくれているけど、そろそろ娘がぐずりそうだなと思ったら『お鍋洗うのは後でいいから先にお風呂をお願い』みたいに、してほしいことは具体的に細かく伝えますね」。「言われたら『あ、すみません』と、その通りにします。鍋が一つ残っていると気持ち悪いですけどね」と隆さんは笑います。

「してほしいことは相談事のように伝えて、進捗確認もします。『その次はこれをやってほしいけど、大丈夫? できる? できないならこの部分は私がするけど……私がやっといたほうがいい?』みたいな感じです。洗った食器に汚れが残っていても、たまにしか指摘しません。逆の立場で考えると、毎日言われたらうんざりすると思います。あとは、私の友達が夫の愚痴を言うのを聞いたら、家に帰ってから『あなたはやってくれるけど、○○ちゃんのところはやってくれないんだって。うちはまだマシかな』と夫にわざわざ伝えています」(みゆきさん)

「家事・育児はやって当たり前というか、反対に妻に全部やってもらうなんて申し訳ない気持ちがあります。食器洗いをしないパパには『だんな、頑張れ!』と伝えたいです。食器洗いはいつでもできる家事なので、やるかやらないかは気持ちの問題だと思います」(隆さん)。「食器洗いを全くしなかった夫が月に1回でもしたら奥さん絶対喜びますよ。夫に優しくなると思います」とみゆきさんもうなずきます。

「パパ、がんばれー」という長女の声援に笑顔で応える隆さん
「パパ、がんばれー」という長女の声援に笑顔で応える隆さん

パパのやる気が出る道具選びを

 さらに、みゆきさんは、道具や洗剤に関しても工夫していると言います。「掃除道具などの家事グッズは、基本的に夫に好きなものを選んでもらって、高くても安くても口は出さないようにしています」とみゆきさん。「家事をするのに道具は必要です。掃除用のシートなどでも、途中で破れるのはやっぱり嫌です」と隆さん。