「食器洗い」に苦手意識を持っているパパは意外と多いようです。自分ではよかれと思ってやったのに、「ちゃんと洗って!」と妻に怒られた経験があるーー。そんな声もよく聞こえてきます。

 そこで、“食器洗い達人”こと松木慎さん(ライオン ヘルス&ホームケア事業本部 リビングケア事業部)に、苦手意識を持つパパのための「食器洗いのノウハウ」を聞きました。その結果、いくつかの重要なポイントさえ押さえておけば、「妻を笑顔に出来る食器洗い」ができることが分かりました!これを読めば、あなたも今日から「食器洗い」マスターです。

 ある夜のこと。A子は、汚れた食器をシンクに放置したまま、後ろ髪をひかれつつ、台所を離れました。夫はまだ帰って来ていません。A子はドタバタと子どもを風呂に入れ、絵本を読んで寝かしつけた後、なんとか一緒に寝落ちせずに、台所に戻りました。すると、不思議なことに、シンクに山盛りだったはずの汚れた食器がひとつもないではありませんか。

 水切りカゴには、美しく洗い上げられた皿が整然と並び、シンクの周囲には水しぶき一滴も飛び散っていません。まるで「家事の上手な小人たちが知らない間にやってくれた」ようです。振り向くと、いつの間にか帰宅していたパパが座っています。パパはA子の笑顔を見て、満足げな微笑みを浮かべました。パパによる「小人作戦」大成功です。その意外性と、完璧な仕上がりは、妻をこれ以上ないほど喜ばせましたーー。

 「えー、そんなのおとぎ話だろ」。そう一蹴するのは、早計です。食器洗いの“極意”さえ知っていれば、決して夢物語ではありません。

無意識に妻の「マイルール」に逆らってしまって、即アウト!

 すべての家事にも仕事と同様、ルールがあります。「マイルール」が意外と大量にある家事の代表格が、食器洗いなのです。日常的に食器洗いをしている人は、経験則的に「これが我が家のベスト」というルールに自然に到達しています。ところが、普段全く関わっていない人から見ると、そのルールは「難解極まれり」です。そうしなくてはいけない「必要性」や「意味」がそもそも分からない。このため、ついルールを破ってしまいただただ不機嫌になる妻に対して、夫のほうは、妻がなぜ怒っているのか理解できないのです。

 食器洗いに苦手意識を持つ、“お悩みパパ”からは、こんな声が挙がっています。

「カレーの皿を重ねて運んだら、『やめて!』と妻に叫ばれた」
「蛇口全開で水を流しっぱなしにして洗っていたら、無駄使いしないで!と妻に怒られた」
「皿の立て方が悪いから乾くのに時間がかかる、とため息をつかれた」
「シンクにある食器をすべて洗って満足していたら、炊飯器内のお釜を洗い忘れていたことをチクチク言われた」
「周囲に水しぶきが飛んでる、と怒られた」