子どもたちが性について学ぶことを、学校だけに任せておけない、と思ったママたちによる専門家を招いての勉強会が各地で開催されています。イラストレーターのフクチマミさんたちの試みもその一つ。今年7月に開催した大人向けの会(「小学生ママたち主催の『性教育の勉強会』ルポ」)に続き、子ども向けの会を開催しました。助産師の土屋麻由美さんを講師に招いた勉強会の様子を、出産・育児ジャーナリストの関川香織さんがリポートします。
「性について子どもに伝えていく役割は、現状では家庭に託されています。親としてもそれは分かってはいるものの、いったいどう伝えていいか、分からないし、戸惑いがあります。だったら、いっそ専門家に教えてもらおう!と思い、この会を開きました」というフクチさんのあいさつに続き、土屋さんの自己紹介から勉強会が始まりました。
自分たちの体の仕組みに、子どもたちは興味津々
「皆は、体のことってどのくらい知っていますか? 今日は、体のことと、どうやって生まれたかについて話します。まず初めに、『自分は自分』というお話をします」
土屋さんが用意していたのは、紙芝居のようなフリップ。男の子と女の子の体の見た目の違いが分かります。
「男の子の体にはおちんちんがあって、女の子にはない……。でもね、中には、体は女の子なのに心の中で自分は男の子だと思っている人もいます。逆のこともあります。何でいつまでたっても、おちんちんが生えてこないんだろうと思う人や、自分は女の子のつもりなのに、どうしておちんちんがついているんだろうと思う人もいます。
「自分が、自分で思っている性別と違う人もいるんです。でも、大切なのは『その人らしく生きること』です。自分は自分らしくいたいだけなのに、そのことでからかわれたり、意地悪されると、つらいです。自分のことを受け入れてもらえないと、生きる力をなくしてしまうかもしれません。そのことを、知っていてほしいです。
「皆、自分らしく生きていいんです。もし、そういうことで悩んだら、お父さんやお母さんや信頼できる大人に相談してみてもいいと思います。今日ここにいる大人は、みんな理解してくれると思います」
冒頭から、性別が見た目の通りとは限らないという話を、幼稚園から小学5年生までの小さな子どもに向けて話す土屋さんに、筆者は内心びっくりしました。でも、「自分らしく生きる」ことを考えたときに、その根本が、性別や体について自分が思っていることとのギャップなく生きることなのです。
勉強会ではこの後も、「自分らしく生きる」、「困ったときには信頼できる人に相談」というフレーズが繰り返し出てきました。
次ページから読める内容
- 他の人が勝手に触れたり見てはいけないプライベートゾーン
- 話の自然な流れの一部として語られるセックス
- 大切にすべきことが分かると、性について話すことのハードルは下がる
- 偏った情報に出会う前に教えたい性の知識。家庭で教えるのは難しくない
- 性について「親子で話してもいい」という安心感を与えてあげよう
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