フジテレビ「料理の鉄人」で、当時最年少だった22歳で「鉄人」に挑戦し、話題を呼んだ中国料理人、五十嵐美幸さん。今は4歳の男の子のママとして子育てにも奮闘しながら、「美虎(MIYU)」のオーナーシェフとして日々厨房に立ち、さらにメディアでの発信や料理教室を通じて野菜を多用したヘルシー中華を伝授するという大忙しの日々を送っています。そんな五十嵐さんに、自身も心掛けているという「平日の夜ご飯を帰宅後20分で作る」ための時短のコツやおいしく食べてもらうためのポイント、平日に帰宅後20分で作れる夜ご飯2食分の献立を教えていただきました。1食目は、中国料理の定番「回鍋肉(ホイコーロー)」と「のり卵スープ」。20分で作るための作業フロー付きでお届けします!

(上)五十嵐美幸「子どもご飯、盛り付けは大事」
(中)五十嵐美幸 20分!家でおいしい中国料理が作れる ←今回はココ
(下)人気中国料理シェフの時短レシピ「担々風肉じゃが」

いためる順番やタイミングのコツを知れば、おいしく作れる

日経DUAL編集部(以下、――) 20分でできる晩ごはん、1食目の献立を教えてください!

コクがあって香ばしく甘めの味噌だれが食欲をそそる回鍋肉(ホイコーロー)と、卵がふわっと優しい味わいの「のり卵スープ」の晩ご飯
コクがあって香ばしく甘めの味噌だれが食欲をそそる回鍋肉(ホイコーロー)と、卵がふわっと優しい味わいの「のり卵スープ」の晩ご飯

五十嵐美幸さん(以下、敬称略) はい。中国料理の定番「回鍋肉(ホイコーロー)」と、具がたっぷり入った「のり卵スープ」を作りたいと思います。回鍋肉がボリュームもあって彩りも豊かなので、おかず一品でもだいぶ満足感があります。スープは鶏がらだしをベースにのりと溶き卵、たけのこなどの野菜を加えてさっぱりと。いかがでしょうか。

―― それは楽しみです!ただ、中国料理は、自宅でおいしく作るのはなかなか難しいという印象があるのですが…。

五十嵐 中国料理は火力が決め手と言われます。家庭のコンロの火力は弱いので、お店のように高温で一気にいためるのは難しいかもしれませんが、家庭でも十分おいしく作るコツはあります。ポイントは「いためる順番とタイミング」です。今回紹介する「回鍋肉」で言えば、最初にお肉の両面を焼いて水分を飛ばし、一旦フライパンから上げる。甜麺醤(てんめんじゃん)・しょうゆなどの「合わせ調味料」を火にかけ、味付けのベースをしっかり作っておく。そこにお肉を戻して、最後にキャベツなどの野菜を入れてからめる。すると、お肉も野菜も水分でベタっとならず、キャベツがシャキシャキした、いい食感に仕上がるんです。

旬の野菜をたくさん使った、ヘルシーで体に優しい中国料理を提案している五十嵐美幸さん
旬の野菜をたくさん使った、ヘルシーで体に優しい中国料理を提案している五十嵐美幸さん

―― 手順を押さえればおいしく仕上がるんですね!

五十嵐 野菜を大きめに切るのもポイントです。小さく切ってしまうと、いためた後にクタ~っとなってしまうのですが、大きめにすればパリパリっと仕上がり、見た目からしてもおいしく仕上がります。それに食べるときによくかむことになるので、満足感もアップ。子どものあごの力が弱くなっているので、なるべくかむ回数を増やしたいという狙いもあります。

―― なるほど、そういった狙いも。子どもが食べやすいようにわざわざ細かく切っていましたが、むしろ大きめがいいんですね。それなら作る側の切る手間も省けていいかもしれません。では、早速レシピと作り方のポイントを教えてください!