大人気の料理研究家、コウケンテツさん。小4の息子さん、小2の娘さん、そして2歳になる娘さんの3児のパパとして子育てにも奮闘中です。そんなコウさんに平日の晩ごはん作りの考え方や時短のコツ、そして帰宅後20分で作れる2食分の献立を全3回にわたって教えていただきました。海外ロケなどで世界各地の家庭を訪れ、さまざまな食卓の形を目の当たりにしてきたコウさん。日々の家事やごはん作りに悩むDUAL世代の心を軽くするヒントが満載です!

(上)コウケンテツ 毎日の晩ごはんはもっと楽していい ←今回はココ
(中)コウケンテツ 魚焼きグリルで夕食作りが時短に
(下)コウケンテツ 具だくさんクッパは共働きの味方

「家庭料理は手作りが一番」と言っていた頃の自分の発言を撤回したい(笑)

日経DUAL編集部(以下、――) コウさんのご家庭では、お子さんが3人に増えてますますお忙しくなったのではないでしょうか?

一男二女のパパであり、テレビや雑誌、講演会などで活躍する料理研究家、コウケンテツさん
一男二女のパパであり、テレビや雑誌、講演会などで活躍する料理研究家、コウケンテツさん

コウさん(以下、敬称略) そうですね。3人目が生まれてからは、目まぐるしい毎日です。特に一番下の次女が風邪を引いたり、熱を出したりして保育園を休んだ日にはもう大変。日中はなんとかしのげても、上の二人が学校から帰ってきた途端、戦場状態になりますね。ママがお兄ちゃんの宿題を見ている間、僕が一番下の娘の世話にかかりっきりになると、今度は真ん中の娘がかまってほしくて駄々をこね出す……。とても夕飯作りに手が回りません。昔、料理研究家になって間もない頃、「家庭のごはんはインスタントや冷凍食品はもってのほか。手作りが一番です」なんて言っていたんですけど、「どの口が言ってたんだ?」と思うぐらい、撤回したいです(笑)。

―― コウさん、そうおっしゃっていた時期があったんですね。

コウ 当時は、「一番簡単に取れるのは和食の出汁(だし)だから、朝から出汁をとって和食を作りましょう!」などと、堂々と言ってましたから。子どもが3人に増えた今では「それはさすがに無理でしょう」と身に染みて感じます。もちろん時間に余裕がある時は、たまに一から出汁をとると「こんなに味が違うんだ!」と発見になっていいですけれども、毎日の料理で根を詰めてやろうとするとストレスにしかなりません。いかに普段の料理から負担を省くか。そう考えないと共働き家庭はパンクしてしまうと思います。

―― コウさんにそう言っていただけるとなんだか気持ちが軽くなりますね。となると、毎日の晩ごはん作りはどうやって負担を軽くしていくとよいでしょうか?

コウ 今回の献立でもご紹介しますが、ごはんを浸して食べるクッパなど「具だくさんのスープ」は最も簡単で、1品でもおなかいっぱいになるのですごくおすすめです。お肉と野菜の旨(うま)みが豊富なので、味付けも塩、しょうゆ、みりんとかなりシンプルで手間もかかりません。

 時短のコツは、味付けのバリエーションを増やさないことです。塩、しょうゆ、味噌……これさえあれば十分おいしい料理ができますから。実は便利な料理名があって、「○○仕立て」と表現するとシンプルな料理も途端においしく聞こえます。鶏をただ焼いて岩塩を振っただけなのに「今日は『鶏のグリル岩塩仕立て』にしてみたよ!」と表現するとどうでしょう? なんだかビストロのメニューみたいに聞こえませんか? 岩塩をしょうゆや味噌に変えれば、今度は「鶏のグリルしょうゆ(味噌)仕立て」になって、一気に料亭っぽくなります。鶏肉を豚肉に変えるだけで、もう何パターンもの料理ができますから、ぜひ「○○仕立て」は使ってみていただきたいです。

―― 「○○仕立て」マジックですか! 早速使ってみたいと思います(笑)。コウさんのお話を伺っていると、晩ごはんってかなりシンプルでいいんですね。