一週間分の家事を一緒にリストアップ

 次にやるのは、「家事のリストアップ」。お互いの認識のズレを埋めるために、リストを作成するという作業です。男性は、口で言って分からなくても、データにして見せるだけで納得するという傾向があります。いわゆる「見える化」ですね。この特性を利用します。

 リストアップ作業を通じて夫に分かってもらいたいのは、「家庭は、会社と同じ。そこに自分も参画し、維持していくための努力が必要なのだ」ということ。一緒にリストアップすることで、だんだんと当事者意識を持ち始めるのです。きっと夫は、「僕も結構、家事をやっているよね」と思っていますよね(笑)。だから、彼にもぜひ自分がやっている家事をリストアップしてもらいましょう。

 といっても、机の上で思い出しながらリストアップするのではありません。実際にやってみて、やったことを1つずつ書き出すのです。まずは1週間分、実際にやった家事を書き出してみましょう。

 そのときに気をつけたいのは、「名前のない家事」もきちんとリストに入れていくということ。ここでいう「名前のない家事」とは、「ゴミ箱に次の袋を入れる」とか、「玄関で靴をそろえる」とか、「空の箱を処理する」とか、「トイレットペーパーを交換する・芯を捨てる」というような仕事です。こういった細かい仕事は、ついでにやることが多いため、「家事のうちに入らない」と思うかもしれません。ですが、そういう細かい仕事も1つ1つ、丁寧に書き出してみてください。子育て中であれば、子どもの世話も家の事=「家事」と考えます。保育園の送迎、持ち物の準備、入浴、お着替え、歯磨き、寝かしつけなど、すべて書き出してみましょう。

 そして一週間後、完成した家事のリストを二人で広げ、「さて、どの家事を担当したい?」となるわけです。このとき、必ずしも5:5にこだわる必要はありません。仕事の分担の比率は、状況に合わせて設定しましょう。わが家は収入比で決めましたが、仕事をする時間の比率で決めるという方法もありますね。もちろん、他の基準のほうがしっくりくるようでしたら、それで分けてもOK。あとで「あなたばっかり楽(らく)してズルい!」「なんか俺、損してない?」ということにならないよう、納得できる基準で比率を決めてください

 比率が決まったら、いよいよ家事の分担を決めます。最初は、夫に先に選んでもらうのがおすすめ。今まで家事をあまりやっていなかった夫には、その分、ハンディがあります。ハンディキャップを埋めるため、夫の希望を優先させてあげましょう。

 ちなみに、この作業は機嫌がいいときを狙って始めるのがおすすめ。夫婦でビールでも飲みながら(といっても、酔っ払った状態で決めると“言った”“言わない”となりがちなので、ほろ酔い程度で)、楽しくやれたら最高ですね。