人手不足と生産性向上の必要性から、国を挙げて「働き方改革」が進んでいます。この4月からは「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が順次施行され、これまでよりもさらに効率的な働き方が求められるようになります。
 でも、実際のところ、それは働き手にとって納得できる「改革」なのでしょうか。会社がいかに努力をしていても、「その“改革”、ちょっとざんねん!」と、内心つっこんでしまうこともあるのでは?今特集では、そんな「働き方改革」の読者アンケートを実施。読者87人のアンケート結果や取材を基にお伝えします!!

【脱!ざんねんな働き方改革特集】
(1) 働き方改革は8割浸透 でも「ざんねん」も満載 ←今回はココ
(2) ツールや制度導入だけではダメ 仕組み変える意識で
(3)  長時間労働対策「21時になったら電気消す」は×?
(4) 人材育成「新人は気合で覚える」は× 解決策は?
(5) 男性育休「2~3日有休消化」では単なるお仕事体験
(6) 健康経営「休養室は宿直室」は× 眠りで生産性向上

この4月から国を挙げて進む「働き方改革」

 働き方に対するニーズの多様化に伴って、多様な働き方を自分で選択できるように国が推し進めている「働き方改革」。2018年7月には「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が公布され、この4月から順次施行されていきます。

 これにより、従来の働き方から大きく変わる点は2つあります。一つは、時間外労働の上限が規制されること。もう一つは、毎年、有給休暇の確実な取得が必要になることです。

 これまで法律上は残業時間の上限が設けられているにもかかわらず、労働者側と会社側が相談をして合意していれば残業時間を延ばせました。しかし、今回の法改正では原則として月45時間かつ年360時間とし、労使で合意があった場合でも1カ月で100時間以上の残業や、複数月の平均が80時間を超える残業はできなくなります。違反の場合には罰則が科せられます。そして、労働者に必ず年5日の有給休暇を取得させることを会社側に義務付けます。これまで、有給休暇は働く側が自ら申し出ることとされていましたが、法改正以降は年5日は会社側から「休んでください」と指定することになります。

 「働き方改革」はこの数年、各社が積極的に取り組んでいるテーマですが、順次施行にあわせるにはこれまでに職場がどれくらい「働き方改革」の“地ならし”がされているかがポイントです。では実際に皆さんの職場ではどのように運用されているのでしょうか。

写真はイメージです
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