フリーライターの杉江松恋さんは、自身の子が小学校4年生のときから3年間、PTA会長を務めました。そのときの経験をつづった書籍『ある日うっかりPTA』が出版され、じわじわと話題を呼んでいます。今春小学校入学を迎える子を持つ筆者が、PTAについての疑問や不安を杉江さんに伺いました。

学童の役員を通して感じたPTAとの溝

杉江松恋さん
杉江松恋さん

日経DUAL編集部(以下、――) 実は、わが子がこの春に小学校に入学するのですが、既にママ友たちとの間で「PTAってどうなの?」という話題が出ています。「この役員が大変らしい」とか「早めにやっておいたほうがいい」「いやいや、少し様子を見て高学年からのほうが」と、実態がほとんど分からないのに噂レベルでもすごく盛り上がるんです。

杉江松恋さん(以下、敬称略)  僕も自分が会長をやるまではどんな組織かはよく分かっていなかったんですよ。小学校に入学するとPTAについての資料がもらえるのですが、見てもよく分からなくて。

―― 推薦されて会長職に就いたとありましたが、それまでは興味はなかったんでしょうか。

杉江 子どもが学童に通っていたので、小1から小3までの3年間、卒所対策委員や夏のキャンプ委員など、学童内の色々な役員を担当しました。でもPTA会長は自分から進んでやろうと思ったことはなくて。学童関連の会合はすべて夜だったので、昼間に活動しているPTAとは接触がなかったんです。

 学童時代、こんな経験をしました。学童はあくまで「保育」の一環なので、決められた場所で過ごすことになっていて、勝手に外で遊んだりできないんです。学校の校庭で遊ばせてあげたいと思って、「学童に校庭を時間貸しで使わせてくれないか」とPTAに持ちかけたんです。でも、全く関心を持ってもらえなかったんですよ。

 理由は、学童が教育委員会の傘下にないから。学童は福祉課、幼稚園と小学校以上は教育委員会の管轄になります。管轄が違うからと動こうとしてくれなかった。通っている子どもたちは一緒なんだから、何とかしてくれればいいと思ったんですが……。「(学童にいる僕らと)PTAとはずいぶん考え方が違うな」と思った覚えがあります。その経験から、自分がPTA会長になってからは、子どもを学童に通わせている親、つまり仕事をしていて日中は時間が取れない人も仲間に入れないと、という考えにつながりました。

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  • PTAは地域住民との連携が大事
  • 「子どものため」という言葉は呪縛になる

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