メンズファッションをロジカルに解説してくれる、ファッションバイヤー・ブロガーのMBさんに、パパのコーディネート術を聞く本連載。

 独身のころは頑張ってオシャレもしたけれど、結婚して子どもが生まれ、仕事や育児に忙しいDUALパパの皆さん。服をのんびり見に行く暇なんて、ほとんどないかもしれません。それでも、月に一度だけでいいんです。予算を決めて、服を買いに行きませんか?

 買う服の選び方やコーディネートの考え方について、日経DUAL編集部が塾生となり、MBさんに講義してもらいます。妻や子どもたちから「パパ、カッコいい!」と言われるような、オシャレパパを一緒に目指しましょう。今回は1月のコーディネートのノウハウを教えてもらいます。

MBさんの「メンズファッションの原則」については、こちらから

MBの「パパコーディネート塾」3つのルール
●毎月一度は、服を見に行く日をつくる
●お小遣いの中に“洋服予算”を設定する(5000円~)
●予算は“使い切る”。少なくとも1着は服を買う

印象を変えるのは「顔回り」と「シルエット」

日経DUAL編集部(以下、――) MBさんの「パパコーディネート塾」、今回は1月編です。11月編でコート、12月編はストールの着こなしについて話してもらいましたが、1月のコーディネートはどう考えればいいでしょうか。

MBさん(以下、敬称略) 年も明けると、そろそろコートに飽きてくるころではないでしょうか。ワンシーズンに2着も3着もコートを買う人はあまりおらず、昨年買ったアウターを今シーズンも着ているという人も多いと思います。

 しかし、この時期に新しく冬物を購入しても、着られる期間は短いですよね。そこで今回は、春になっても使えるアイテムで、なおかつコートの印象も変えられる、そんなコーディネートをご提案したいと思います。

―― コートの印象を変えられるのはうれしいですね。パンツやインナーを変えてもパッと見は分かりづらいですから、いつも同じような服装に見えてしまいがちです。

MB コートは面積が大きいですから、コーディネートの中でも比重が大きいんです。そんなコートの印象を変えるためにはどうすればいいのか。一番効果的なのは「顔回り」です。この話は以前もしたので繰り返しになりますが、人間の視線はどこにいきやすいかというと、手首、足首、首などの体の先端。人と話すときは、相手の首回りと顔に特に目がいくので、ここを変化させると印象がガラリと変わります。

 そこでおすすめしたいのが「パーカー」、そして「ボディーバッグ」です。

―― なるほど、パーカーはフードがあるから上にコートを羽織っても印象が変わるんですね。「ボディーバッグ」というと、サコッシュなどですか?

MB そうです。サコッシュのような、斜め掛けをする小ぶりのバッグです。ボディーバッグのいいところは、冬でも春でも使えるということ。冬用のウール素材だとちょっと難しいかもしれませんが、多くはコットンだったり、レザーだったりするので、オールシーズン使えます。

 ボディーバッグをコートに合わせる理由は、シルエットの変化です。ブカっとして大きめのコートを着ている人は少なくないと思いますが、ボディーバッグを身に付けるとシルエットを細く見せることができます。ボディーバッグのストラップを短めにして締め付け感をつけると、印象が変わって新鮮だと思いますよ。