メンズファッションをロジカルに解説してくれる、ファッションバイヤー・ブロガーのMBさんに、パパのコーディネート術を聞く本連載。

 独身のころは頑張ってオシャレもしたけれど、結婚して子どもが生まれ、仕事や育児に忙しいDUALパパの皆さん。服をのんびり見に行く暇なんて、ほとんどないかもしれません。それでも、月に一度だけでいいんです。予算を決めて、服を買いに行きませんか?

 買う服の選び方やコーディネートの考え方について、日経DUAL編集部が塾生となり、MBさんに講義してもらいます。妻や子どもたちから「パパ、カッコいい!」と言われるような、オシャレパパを一緒に目指しましょう。今回は11月のコーディネートのノウハウを教えてもらいます。

MBさんの「メンズファッションの原則」については、こちらから

MBの「パパコーディネート塾」3つのルール
●毎月一度は、服を見に行く日をつくる
●お小遣いの中に“洋服予算”を設定する(5000円~)
●予算は“使い切る”。少なくとも1着は服を買う

ストリートからドレスへ、ノームコアから柄物へ

日経DUAL編集部(以下、――)  MBさんの「パパコーディネート塾」、今回は11月編です。いよいよ冬服が欲しくなる時期ですが、パパ向けのファッションアイテムとしては、どのあたりから目星を付ければいいでしょうか?

MBさん(以下、敬称略) 実は今、トレンドが変わってきています。ここ数年、ストリート寄りのトレンドが強かったのですが、ドレス寄りに移行しつつあるんです。海外のコレクションを見ても、去年はルイ・ヴィトンがスケーターブランドのSupreme(シュプリーム)と、モードとストリートの融合みたいなコラボレーションをやっていたんですが、今年はちょっとフォーマルになってきています。

 そうした世界的な流れもあって、日本のカジュアルブランドも今年はフォーマルに寄せてきています。トレンドの変わり目は、ショップにカジュアルなアイテムもあれば、フォーマルな服もあるといった具合に、商品の幅が広くなるんです。

 さらに、もう一つトレンドの変化が起きています。長く続いていた「ノームコアブーム」の収束です。ノームコアとは「究極の普通」という意味で、スティーブ・ジョブズのような、「普通のデニムに黒のタートルネックを合わせるだけ」みたいなシンプルなスタイルがいいという流れが続いていたんですが、さすがに飽きがきたようで。「シンプルなのもいいんだけど、ちょっと地味じゃない?」という雰囲気になってきているんです。

 原色を派手に使うというわけではないですが、ちょっとした柄を入れたり、明るめの色を使ったり、デザインに凝ってみたり、というような動きが流行として出てきています。

―― トレンドの変わり目ということは、今は新しい服を買うのは控えたほうが無難でしょうか?

MB そうでもありません。新しいものがどんどん出てきているので、面白いタイミングだと思います。せっかくなので、色々着てみてほしいですね。

―― なるほど。そんな今年の11月に買っておきたいアイテムを挙げるなら、何でしょうか。

MB アウターですね。高額なのでコートを毎年買い替える人は多くないと思いますが、「何か面白いコートが欲しい」「去年までと少し印象を変えたい」と思うのであれば、今年買い換えるのはおすすめです。種類がかなり豊富ですからね。

 11月はアウターが必要になってくる時期ですので、今月は、ビジネスでも休日でも着られる、おすすめのコートをご紹介したいと思います。