メンズファッションをロジカルに解説してくれる、ファッションバイヤー・ブロガーのMBさんに、パパのコーディネート術を聞く本連載。

 独身のころは頑張ってオシャレもしたけれど、結婚して子どもが生まれ、仕事や育児に忙しいDUALパパの皆さん。服をのんびり見に行く暇なんて、ほとんどないかもしれません。それでも、月に一度だけでいいんです。予算を決めて、服を買いに行きませんか?

 買う服の選び方やコーディネートの考え方について、日経DUAL編集部が塾生となり、MBさんに講義してもらいます。妻や子どもたちから「パパ、カッコいい!」と言われるような、オシャレパパを一緒に目指しましょう。今回は9月のコーディネートのノウハウを教えてもらいます。

MBさんの「メンズファッションの原則」については、こちらから

MBの「パパコーディネート塾」3つのルール
●毎月一度は、服を見に行く日をつくる
●お小遣いの中に“洋服予算”を設定する(5000円~)
●予算は“使い切る”。少なくとも1着は服を買う

この季節だからこそ楽しめる、長袖シャツと短パンの組み合わせ

日経DUAL編集部(以下、――) MBさんの「パパコーディネート塾」、今回は9月編です。8月編では真夏の休日コーディネートについて聞きました。猛暑も和らぐ9月は、どんな着こなしをすればいいでしょうか?

MBさん(以下、敬称略) 9月は暑さが残っていて、まだ夏物を着たい季節ですよね。そんな9月におすすめするコーディネートは、ズバリ「長袖シャツと短パン」の組み合わせです。いわば、夏から秋へのスイッチングスタイル。初秋や晩春にしか楽しめないコーディネートです。

―― 短パンがまだ活用できるのはうれしいですね。家族とのお出かけ時にも、動きやすくてよさそうです。

長袖シャツと短パンのコーディネート例
長袖シャツと短パンのコーディネート例

MB 長袖シャツと短パンの何がいいかというと、シルエット的にとても均整がとれているんです。人間の体をきれいに見せるシルエットは、「Aライン」「Yライン」「Iライン」の3種類があります。「Aライン」は、トップスを細身にして、ボトムスを太めにする。「Yライン」はその逆で、トップスを太くして、ボトムスを細くする。スーツのように上下とも細くするのが「Iライン」です。

―― 長袖シャツと短パンの場合、どのラインで整えるべきなんでしょうか?

MB シルエットの話って、実は太さや細さだけではなく、面積も重要なんです。

 例えば、冬用のロングコートを買いに行って、ショップスタッフに「どういうボトムスを合わせるといいですか?」と聞いたとしましょう。ほとんどのスタッフは「細身のパンツを合わせてください」と答えると思います。ロングコートに細身のパンツを合わせるとスッキリして見えるのは、シルエットが「Yライン」だからです。

 ロングコートは、身幅が細くても、肩幅が細くても、丈が長く全体としてボリュームが出る(面積が広い)ので、「Yライン」のトップスに該当します。このように、シルエットを考える場合は太さだけでなく、面積も考慮する必要があるのです。

 この話を踏まえて、長袖シャツと短パンを捉えると、長袖シャツは袖があるぶん、当然面積が大きくなり、短パンは膝から下がないぶん、面積が小さい。これで、実にきれいな「Yライン」ができるんです。

―― なるほど、そういうことなんですね。

MB しかも、意外とボディーラインも隠せて、スッキリして見えるので、この組み合わせはすごくオススメです。