年末年始には帰省や旅行、レジャーなどで人混みへ出かける機会が増えます。赤ちゃんの場合、ワクチン接種をしていなかったり、十分な免疫がまだなかったりすることから感染症には特に注意が必要です。小学生でも、高学年になると乳幼児の頃に受けたワクチンの効果がなくなっていることが少なくありません。

近年は海外から持ち込まれる感染症(インバウンド感染症)も増えています。対策を知っておくことが大切です。中でも増えている、百日ぜき、はしか、デング熱の3つの感染症について、どんなことに気を付ければいいのか、感染症対策に詳しいナビタスクリニック理事長・久住英二さんに聞きました。

ワクチン接種を含め生活の中での予防が大切

 「国としての対策がされていないにもかかわらず、子どもが感染すると大変なことになる病気があります」と久住さんは指摘します。それはどういうことでしょうか。

 「子どもが罹患(りかん)すると重篤な結果を招く可能性があるものが、百日ぜき、はしか、デング熱です。百日ぜきは日本では軽視されがちですが、今年の罹患者はすでに1万5000人を超えています。はしかは全世界で流行を繰り返しており、免疫が不十分な人が一定数いると、あっという間に流行する可能性があります。デング熱は誰もが受けられるワクチン自体がなく、治療方法もありません。とにかく生活の中での予防が大切です」と久住さんは言います。

 ではこれら3つの感染症から子どもを守るために、どのようなことを知っておけばいいのでしょうか。