食欲の秋。スナック菓子を食べるわが子を前に「うちの子、少しぽっちゃりしているけど、大人になったら痩せるから大丈夫よね」「中学生になったら、部活動で鍛えられるから大丈夫」と思っていないでしょうか。

研究データによると、子どものころに肥満だった子は、大人になっても肥満傾向を引きずっていることが多いとされています。大人になったからといって自然に痩せるわけではないのです。

また子どもの肥満は、体型や見た目だけの問題ではなく、その後の健康をも大きく左右します。肥満かどうかのチェック方法と、もし肥満だった場合の対処方法について、東京家政学院大学 人間栄養学部教授、日本大学医学部 小児科の原光彦さんに伺いました。

子どもの頃に肥満だと、早くから動脈硬化になりやすい

 どうして子どもの肥満を放置してはいけないのか、原光彦さんはこう話します。

 「子どものころに肥満だった人は、そうでない人に比べて若いときから動脈硬化になりやすいことが分かっており、学童期以降に健康障害が出やすいことが問題となっています。早い子では、中学生で肥満に伴う2型糖尿病を発症したり、小学生で早期動脈硬化のサインが見つかるケースもあります」

 「2019年4月には、日本小児医療保険協議会の小児肥満小委員会が『幼児肥満ガイド』を策定しました。私が委員長としてとりまとめを行ったのですが、その背景には、5歳時点で肥満の子のうち、およそ6割は学童期になっても肥満が継続しているという現実がありました。幼児期からの対策が非常に大切だということを医療・栄養関係者や教員、親御さんなどに知っていただきたい。お子さんが子どものころから生活習慣病で苦しまないように、少しでも早くから対策を始めてほしいと考えます」

 では一体、子どもの肥満はどんな原因から生じるのでしょうか。