手洗いやせきエチケットを詳しく紹介

 緊急セミナー「新型コロナウイルスへの対応」で紹介された予防策、および日本感染症学会、日本環境感染学会がHPで発表している予防策は下記のとおりです。 子どもと一緒に確認しましょう。

★せっけんを使って手を洗う
特に重要なのが手指を清潔に保つこと。外出先から帰宅したら、顔や室内の備品などを触る前に、せっけんでよく手を洗ってください。せっけんはコロナウイルスの外側の膜を破壊するので、ウイルス自体を殺すことができます。家族でタオルを共用するのは避けてください。タオルが感染源になる場合があります。また外出先では、不特定多数の人が利用するトイレを使用したあとは、せっけんを付けて、念入りに手を洗うようにしましょう。東京都が監修した手洗い動画などもあるので、参考にしてください。

★アルコールで手を消毒する
新型コロナウイルスには、アルコール消毒剤も有効です。アルコールを手にたっぷりと取り、手全体をアルコールで包み込むように行き渡らせます。

★目や鼻、口を不用意に触らない
手にウイルスがついているかもしれないと考え、不用意に目や鼻、口を触らないようにすることが大切です。マスクを着用していても、ウイルスで汚染した手指で目、鼻、口などに触ると、これらの粘膜から感染する可能性があります。

★マスクの内側にガーゼを入れ、そのガーゼを交換する
現在、マスクが店頭で不足している状況です。マスクを頻繁に交換できない場合には、マスクの内側にガーゼを入れ、そのガーゼを交換する、あるいはガーゼを水洗いしてから乾燥させて再利用するなどの工夫もできます。

★症状のある人、症状のある人と接触する際はマスクをする
マスクの予防効果はあまりないとされていますが、せきや発熱などの症状がある人は、周りの人へ飛沫を飛ばさないためにもマスクを着用してください。また、症状のある人と接触する際はマスクをすることが推奨されます。この場合、2メートル以上の間隔をとり、窓を開けるなど部屋の換気にも気をつける必要があります。

★せきエチケットを徹底する
そのまま何もせずにせきをすると、病原体を含んでいる可能性のある飛沫が周囲に飛んでしまいます。せきをするときには、
(1)マスクを着用する
(2)ティッシュやハンカチで口と鼻を覆う
(3)とっさのときは袖の内側で口や鼻を覆う
を徹底しましょう。手のひらでせきを受けると、その手にウイルスが付着し、ドアノブや手すりなどを介して感染を広げてしまう可能性があります。せきエチケットは、厚生労働省も啓発ポスターを作製し、一般に広く呼びかけています。

(C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
(C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
(C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会

 東京都感染症情報センターによると、現時点ではインフルエンザの患者報告数は前年同時期に比べて5分の1程度になっています。

 「これは、新型コロナウイルスへの警戒から、皆が手洗いなどの対策をしっかり行った結果、流行が抑えられているのも一因と考えられます」(森さん)

 新型コロナウイルスへの対策は、インフルエンザへの対策と同様です。子どもと一緒に、手洗いやせきエチケットなどを徹底していきましょう。

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森雅亮さん
東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 生涯免疫難病学講座 教授
日本小児感染症学会 副理事長

1990年、横浜市立大学小児科入局。神奈川県立こども医療センター 感染免疫科、横浜市立大学センター病院小児総合医療センター長兼准教授などを経て2016年より現職。専門は、小児リウマチ性疾患、小児感染症疾患。日本を代表する小児膠原病の第一人者で、小児の感染症にも詳しい。

取材・文/渡邊由希 イメージ写真/PIXTA