インフルエンザ対策と同様 不用意に目や口、鼻を触らない

 森さんは言います。「感染症は、病原体の毒性が強いと、他の人に感染させる前に宿主が亡くなってしまいます。今回の新型コロナウイルスは、感染が広く拡散していることを考えると、毒性はそれほど高くないのではないと考えてもいいのではないでしょうか。また、日本のように医療体制が整っている国では、いまのところ致死率が高くないのも事実です。新型コロナウイルスの患者さんはほとんどが40代以上で、子どもの発症者は現在のところ少数となっています。40代以降になると免疫機能が低下してくることと何らかの関係があるのかもしれません。しかし、なぜ子どもに発症者が少ないのか、現在のところ分かっておらず、今後の知見が待たれます」

 新型コロナウイルスの感染は飛沫感染が主で、接触感染でも感染することが分かっています。

■飛沫感染
飛沫は、せきやくしゃみをしたときに、口や鼻から飛び出す微粒子のこと。最大飛行距離は2メートルほどとされています。飛沫に病原体がのって飛び、それが近くにいる人の鼻腔(びこう)や口に入り込むことによって感染します。

■接触感染
手やドアノブ、手すり、便座、スイッチ、ボタン等の表面に接触し、病原体が付着すること感染します。たいていの場合、病原体が付着した手指で、鼻や口、粘膜などを触ることで、ウイルスが体内に入り込みます。

 「新型コロナウイルスの予防には、インフルエンザに対する予防と同じで、手洗いやせきエチケットなどの感染対策が有効です」(森さん)