昼でも夜でも子どもを一人にしないこと

田中 インフルエンザは水分摂取がしっかりできて、安静がとれていれば自然に治る病気です。まずは、こまめに水分を取ること、しっかり休むことが重要ですね。もし食事が全く取れないような場合は、塩分と糖分がバランスよく入った経口補水液を活用するのがお勧めです。あるいはスポーツドリンクやお茶を飲み、味噌汁で塩分を補給するというのでもよいでしょう。水分だけでなく、塩分と糖分もちゃんと補うことが重要です。

 睡眠は子どもの自然に任せればいいでしょう。よく寝ている場合は、寝たいだけ寝させてあげることです。無理に寝かしつける必要はありません。子どもは熱があっても元気だったりしますので、そんなときは家の中で過ごすというだけでも、安静になります。

 部屋の中を乾燥させないことも重要ですね。部屋の湿度は50~60%程度を保っておくと安心です。部屋の中にぬれタオルや洗濯物を干すのも有効ですね。

 一つ気を付けておいてほしいのは、 昼でも夜でもお子さんを一人にしないことです。先ほども触れましたが、インフルエンザになると異常行動を起こすことがあるからです。ドアや窓の鍵をあらかじめしっかりとかけておく。 特に飛び降りなどが起こると危ないですので、ベランダの鍵は必ずかけておいてください。鍵がかかっていれば、外に出るのに多少なりとも時間がかかりますし、ガシャガシャという音に家族が気づくこともできます。

―― 他の家族にうつさないためにはどうしたらいいでしょうか?

田中 うつさないためには「距離」を確保することが一番大事。兄弟姉妹のどちらかがインフルエンザにかかっている場合は、できるだけ寝る部屋を別にして、接触する人を制限するのが効果的です。パパやママがかかった場合は、隔離して極力接触しないようにしましょう。

 マスクを着けることも感染予防につながります。特に、インフルエンザにかかっている人がマスクをすると効果的です。お子さんが小さくてだっこをする場合は、くしゃみやせきの飛沫を直接浴びるのを避けるため、親御さんがマスクをしておくといいですね。マスク表面にはウイルスが付着しているので、外すときはマスク表面を触らず、耳にかけるひもをつまんで、そのままゴミ箱に捨てましょう。安価なものでいいですから、頻繁に取り替えるのがお勧めです。

 またタオルの共用を避けたり、ドアノブなどのよく触れるものやトイレ回りなどをこまめにアルコール消毒したりして、他の家族に感染を広げない注意も必要です。手洗いやハンド用消毒剤で手指をこまめに洗浄するのもいいですね。

インフルエンザの家庭内感染を防ぐ6つのポイント

1.「距離」を確保する
2.マスクは頻繁に取り替える
3.マスクを外すときはひもをつまむ
4.タオルの共用を避ける
5.ドアノブやトイレ回りなどをこまめにアルコール消毒する
6.手洗いやハンド用消毒剤で手指をこまめに洗浄する

―― 治った後、保育園や学校にはいつから戻れますか?