子どもたちが大好きなスマートフォンやタブレット端末。子どもが使いすぎると近視になるのでは?と心配になるママパパは多いでしょう。近視が進行するのは、実は8~15歳頃。それ以前の5歳ぐらいまでは、目の機能そのものが出来上がっていないため、スマホなどの機器に目を近づけて毎日長時間利用していると寄り目(内斜視)になり、両目できちんとものを見ることができなくなってしまう可能性があることが分かってきました。どういったことに気を付けたらいいのか、どんな症状があれば医療機関で相談したほうがいいのかなど、国立成育医療研究センター・眼科医長の仁科幸子さんに聞きました。

急に寄り目になる子が急増

 「2014年ぐらいから、子どもが急に寄り目になったと保護者が気付いて受診をするケースが増えました」と国立成育医療研究センター・眼科医長の仁科幸子さんは話します。

 「最初はこんなケースでした。急に寄り目になったので見てほしいと、6歳のお子さんを連れたお母さんが紹介状を持って受診されたのです。

 急に発症する寄り目のことを、急性内斜視*といいます。原因には(1)片目の遮閉(片目を隠したこと)、(2)心身のストレス、(3)近視を眼鏡で矯正していない、(4)脳や目の病気、があります。検査をしても(1)~(4)の原因は見当たらず、お母さんに詳しくヒアリングすると、スマホを毎日何時間も使っているという事実がありました。このお子さんは、スマホを制限しても斜視が治らず、全身麻酔で手術をすることになりました」

 その後、いったん治っていた斜視が再発してしまったような子どもも診察するようになったと言います。

 「他に原因がないのに、急に斜視が起こったり悪化したりするお子さんが増えていき、『これはおかしい』と感じました。それ以前は6歳以降に急性内斜視で受診する子は年に1人いるかいないかだったのです。よく聞いてみると、これらの子どもはスマホやゲーム機を1日3~4時間以上使用していることが分かりました。そこでスマホなどICT機器による急性内斜視について日本弱視斜視学会で発表しました。すると『うちの病院でも、急に寄り目になったと訴えて受診するお子さんが増えている』という声が多数上がってきたのです。2017年から全国の医療機関(学会に所属する眼科医)にアンケートを送るなど、急性内斜視の調査を行いました」。そうした調査の結果、スマホの使いすぎが子どもの斜視を引き起こしてしまう可能性があるということが分かってきました。

 子どもが急性内斜視になると、どんな問題が生じるのでしょうか。寄り目(内斜視)になることは、実は見た目の問題だけではないといいます。次のページからは、簡単に家庭でチェックできる方法、対策、治療法について紹介します。

*急性内斜視の正式な疾病名は「急性後天性共同性内斜視」といいますが、この記事では急性内斜視と表記しています。
写真はイメージです
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  • 本を読むのを嫌がる、集中力が低下する
  • 小学生以下は1日1時間以内を心がけて

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