自治体ごとの学童保育の実態について独自調査

 日経DUALは、毎年日本経済新聞と共同で「自治体の子育て支援制度に関する調査」を実施しています(「共働き子育てしやすい街2018 総合ランキング」)。そこでは、各自治体に学童保育についても聞いています。主な設問は以下の通りです。

● 親の就労状況など条件を満たした場合、小3までの希望者全員が放課後児童クラブに入ることが可能か(待機児童がいる場合はその合計人数)
● 今後3年以内に学童保育の定員を増やす予定はあるか
● 施設の延床面積に対する児童一人当たりのスペース(厚労省の省令基準では1.65平方メートル以上とされている)
●1クラス当たりの平均児童数(厚労省の省令基準では40人以下)

 これらの設問に対しての東京の自治体の回答をまとめたのが以下の表です(東京のすべての自治体が回答しているわけではありません)。

自治体調査の学童保育に関する回答一覧(東京)

 最初に「学童保育に全入できるかどうか」を聞いていますが、全入できればいいとは言い切れません。表を見ると分かる通り、その半数に近い自治体が「定員はない」と答えており、事実上無制限に児童を受け入れていることが分かります。待機児童はいないに越したことはありませんが、ある意味では「学童保育の待機児童がいる」ことは「できる限り基準に従って学童保育を運営している」ということでもあるかもしれないのです。

 上記の一覧には含めていませんが、学童保育の延長を含めた最長預かり時間(施設によって異なる場合は最も多い最長預かり時間)についても聞いており、多くが「17時1分~17時30分」と答えています。これではたとえ定時退社をしてもお迎えに間に合わないというママ、パパがほとんどではないでしょうか。

 児童一人当たりのスペースや1クラス当たりの平均児童数も、厚労省の省令通りではない自治体がちらほら。かなり大きくオーバーしている自治体もあります。

 あくまでこれは一つの指標であり、これだけをもって「学童保育がいい自治体、悪い自治体」と断じることはできませんが、参考にする価値はあるでしょう。

 では、わが子に合った学童保育はどう探せばいいのか、学童保育で何かトラブルがあった場合はどうすればいいのか――。それらの疑問には、これから特集内で専門家に聞きながらお答えしていきます。

(取材・文/日経DUAL編集部 田中裕康 イメージカット/鈴木愛子)