学習状況をスマホでチェック 丸付けは不要でスケジュールも自動管理

 となると、やはり家庭でのフォローが欠かせなくなります。しかし、共働きの親がつきっきりで子どもの勉強を見るのは、ほぼ不可能です。そこで考えるのが、通信教育。でも、「やってみたけれど、使いこなせなかった」という声もよく聞きます。

「Z会のユーザーからもそういった声を聴いていて、時間に制約のある共働き家庭の学習をどうやったらお手伝いできるか考えてきました。そこで開発したのが小学3年生から始まる、『小学生タブレットコース』です」

 Z会の「小学生タブレットコース」は国語・算数・理科・社会・英語・総合学習の6教科がセットになっていて、iPad端末で学習します。長文記述の問題以外は、漢字の書き取りも含めて自動採点なので親の負担がとても軽いのが特長。さらに、「タブレットでの提供は難しいのでは?」とユーザーが考えがちな、思考力や表現力が問われる問題もあります。指導者が担任制(学年末まで「同じ指導者」が添削でアドバイスを行う制度)である点は、Z会の通常の「紙の教材」と同じ。毎月全教科で提出課題があり、提出も返却もタブレット上で行います。

「子どもはタブレット上の学習カレンダーで今日やる学習内容を確認でき、親は保護者アプリで子どもの学習状況や提出課題の結果などを確認できます」

 保護者アプリでは子どもとメッセージのやり取りもできるので、つきっきりにならなくても子どもにアドバイスしたり励ますことができるそうです。

 学習スケジュールは1日1コマ(要点1単位?演習1単位)が基本。1単位の時間は中学年が15分、高学年は20分なので、1日の学習時間は、30分(高学年は40分)でOKです。デフォルトで出題される「確認問題・練習問題」が早く終わってしまい、まだ時間が余っている場合は、「スペシャル問題」が出題され、15分(もしくは20分)間はタブレットに向かうようにプログラムされています。あらかじめ決めた時間にアラームが鳴り、一定時間はタブレットに向かうことになるので、学習習慣を定着させるのにぴったりですね。


「いきなり問題を解く」ということはない。学習はまず、「授業」を受けることから始まる。
「いきなり問題を解く」ということはない。学習はまず、「授業」を受けることから始まる。


次に「確認問題」。読んで学んだことを、実際に解いてみることで内容が身につくのだ。
次に「確認問題」。読んで学んだことを、実際に解いてみることで内容が身につくのだ。


学習の仕上げは「練習問題」。定着の「度合い」は正誤状況から自動で判断。個々人で難易度の違う問題が出題される。
学習の仕上げは「練習問題」。定着の「度合い」は正誤状況から自動で判断。個々人で難易度の違う問題が出題される。

 1カ月の学習量は6教科全部で20コマ。時間にすると、中学年で1カ月10時間、高学年で13時間20分です。平日に1コマずつ学習すれば、土日は予備日に充てられます。習い事が忙しい曜日は1単位だけやって、予備日にキャッチアップするなど、フレキシブルに進められるのがうれしいところです。


タブレット上で学習のスケジュールが作成できるのも、Z会「タブレットコース」の強み。学校行事などで当初設定したスケジュールがこなせなかったら、「リスケ」だって簡単にできる。
タブレット上で学習のスケジュールが作成できるのも、Z会「タブレットコース」の強み。学校行事などで当初設定したスケジュールがこなせなかったら、「リスケ」だって簡単にできる。

能力に合わせて問題を出し分けするのはタブレットならでは

 タブレット教材というと、遊びの延長というイメージがあり学力がつくかちょっと不安、という人もいます。そこでこの、「小学生タブレットコース」のカリキュラムで目指している「レベル感」について、今里さんにお聞きしました。

「それこそがタブレットコースを開発するときの課題だったのです。Z会の小学生向けコースには従来から、『小学生コース本科』という紙の教材があります。学年と教科によって、スタンダードとハイレベルという2つに分かれていますが、どちらを選んでも、『教科書レベル以上』の学力がつくことを目標にしています。タブレットコースの場合、レベル分けはありませんが、やはり、『教科書レベル以上の学力がつくこと』を目標にしたカリキュラムを組んでいます」

 今里さんによると、タブレットコースのカリキュラムは、これまでの小学生コースの集大成なのだそう。

「紙の教材と同じレベル感の問題を取り入れているので、紙とタブレットでレベル差はありません。紙の教材の内容にタブレット学習の強みを加えたのが、Z会の小学生タブレットコースだと言えるでしょう」

今里さんは、そう語ります。では、タブレット学習の強みとは一体なんでしょうか。

「スケジュール管理や自動採点などもそうですが、Z会のタブレット学習の特長として重要なのは、子どもが問題を解いた時の記録がすべてログとして残る点でしょう。このログはZ会に届きます。学習の進み具合や、分野による得意・不得意が丸わかりになっているのです。その利用法のひとつとして、練習・確認問題の成績が良かったときには、そのログをもとに、難度の高いスペシャル問題が出されるということがあります。そのときの難易度は、紙の教材のハイレベルと同等のものです」

 タブレット教材にはレベル分けがありません。しかし学習ログを分析し、自動的に子どもの学力に合ったレベルの問題を出題しているので、デキる子は自然にハイレベル教材の問題を解くことになり、そうでない子は基礎をしっかり復習することができるのです。塾や家庭教師だと先生が子どもの学力を判断して、問題を選んだりします。それと同じことを、タブレット教材が自動的にやってくれるというのは、うれしい点です。

 今里さんは、「学習ログを活用して、すべての単元において問題の出し分けを行っているのは、Z会だけだと思います」と語ります。学習ログは担任指導者が学習状況を確認するのにも活用され、月に1度、メッセージをやり取りする「定期面談」の際にはきめ細かいアドバイスをしてくれます。


毎月1度、タブレットを通して実施される「定期面談」は、蓄積された学習ログを元に、的確なアドバイスが送られる。
毎月1度、タブレットを通して実施される「定期面談」は、蓄積された学習ログを元に、的確なアドバイスが送られる。

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