もう「イクメンと言われるのも嫌」という程、子育てを主体的に取り組む男性が増えてきた。まさにそんなDUALパパたちの“普通”に“自分ごと”として試行錯誤で取り組む育児は、親世代とは大きく変わっているはず。そんなパパたちの静かな育児革命を追う最終回は、海外単身赴任になったママを支え、日本に残って仕事をしながら小学生の娘と1年間暮らして家事育児をこなしたパパです。いまや単身赴任もパパだけでなくママにも選択肢となってきた時代。仕事と家事と子育てを、パパ一人、娘一人でどうこなしたのか。ママもパパも必見のたくさんの効率化テクニックが登場します。

今回の革命パパ

原口さん(仮名):研究所でリサーチャーとして働く管理職パパ。小3の娘を持ち、日ごろから家事を分担しつつ、子どもの習い事や学校イベントにも参加する。 現在妻は海外赴任中。

ママ「海外赴任が決まった」。そのときパパは…

日経DUAL編集部(以下、――) 奥様が海外赴任に決まったとき、どう思いましたか?

原口さん(以下敬称略) 彼女からドイツに赴任の公募があると相談されたとき、「お、来たな! 頑張れ! 」と、まず思いました。彼女は商社で海外営業を担当していて、ドイツに留学経験もあって語学もできますし、仕事でもしっかりキャリアもあり部下をまとめる立場になっていましたので適任なのです。それに、彼女の今後のキャリアを考えると、海外赴任の経験は不可欠なのは前々から話していたので、チャンスがあれば行くべきだと思っていました。そして、そのチャンスが来た。今だと思ったので、背中を押しました。

―― 離れてしまうことに抵抗はなかったのでしょうか?

原口 もちろん妻と離れるのは寂しいです。子どもも小学校に上がったばかりで連れて行くか日本に残らせるかも悩みました。でも、彼女が行くことは応援したかったので、まずはどうやったら彼女がいない間を乗り切れるか、子どもをどうするかを二人で話し合いました。

 その上で、娘に状況を伝え、「ママと一緒に行くか、パパと残るか」「もし一緒に行くならば、インターナショナルスクールに行くか、日本人学校に行くか」という選択肢があることを話して、自分で決めさせました。もちろん娘が悩んだり不安に思ったりすることにはきちんと答えて、また家族で一緒に過ごせるようになることや、夏休みなどには日本に戻ってこられることなども説明しました。

 すると娘は、「ママと行く」と「日本人学校に通いたい」という選択をしました。やはりママが好きなのは仕方ないですよね。ただ、一緒に行くにしても、住居や学校の手配、ビザなど問題が多々あったため、最初の1年は妻が一人で先乗りし、土台ができた上で2年目から娘が合流することになりました。こうして、私と娘の二人生活の1年が始まったのです。