もうイクメンといわれるのも嫌というほど、子育てに主体的に取り組む男性が増えてきた。まさにそんなDUALパパたちの“普通”だけど“自分ごと”として試行錯誤で取り組む育児は、親世代とは大きく変わっているはず。そんなパパたちの静かな育児革命を追う3回目は、二度目の妻の育休復帰にセンチメンタルになってしまったという心配性のパパに登場いただく。

今回の革命パパ

唯川さん(仮名)金融系総務職。5歳の娘、1歳の息子の二児の父。4月に妻が育休から復帰し、新たな育児&家事のローテーションを模索しながら、共働き生活をスタートしている。残業はあまりないが、年に2、3回の繁忙期は帰りが遅くなる日が続くこともある。

長女が待機児童になり、妻が退職の危機に

日経DUAL編集部(以下、――)昨年4月に奥様が二度目の育児休暇から仕事復帰されたそうですが、どんなローテーションで日々を過ごしていらっしゃいますか?

唯川さん(以下、敬称略)無事に二人目が上の子と同じ保育園に決まったので、ホッとしています。横浜市は二人目などきょうだいには比較的手厚い気がしますが、一人目の時は保育園どころか保育室にも入れず、妻が退職しないといけないかという危機にまで陥りました。3月生まれの長女は、保育園入園時期がとても不利で待機児童になってしまい、なんとか認可外をギリギリに見つけて最終的には妻は退職せずに済みましたが、危なかったです。

 認可園の不承諾通知を受け取った時は、ショック過ぎて、口裏を合わせたわけじゃないのに私も妻もそれぞれ職場と自宅から市役所に電話をしていたのです。何かできないかと慌てていたんですね

――二人目の長男の時はすぐに決まったのですか?

唯川一人目に比べればすんなり決まりました。でも、1年間の妻の育休中は家事や育児をだいぶ任せていたので、 復帰直前の2、3月は私が不安でパニックになりそうでした。二人育児になったことで毎日の送迎や家事分担などがリセットされる気がしたのです。これで妻が仕事に戻ったらどうなるのか心配で、私がセンチメンタルになってしまったのです。

でも、そんな一方で妻は着々と準備していたんですよ! そういうところを本当に尊敬します。妻の職場では、時短勤務で戻ると給料が減る割に仕事はあまり変わらないという不公平感があると一人目の時に感じていたので、今回は、妻は時短勤務を取らずに戻ったのです。実際に、子どもがいるといろいろ工夫していかに短い時間で仕事をするか、常に工夫して早く仕事が終わったりしますよね? でも、中には仕事量が多くてもダラダラ仕事している人もいるじゃないですか? それって、損している気がしますよね。妻は、元々残業はあまりない仕事だったので、だったら通常の勤務にしてその分朝早く出勤することにしたんです。それを僕は全面的にサポートしようと思いました。

――奥様に対して尊敬の気持ちを持ってらっしゃるんですね。

唯川私は結構心配してしまうのですが、妻はきちんといろんな準備をしているのです。仕事復帰してからは、日曜日に総菜を作り置きして、タッパーに分けておいて、平日は夫婦二人分のお弁当も用意しているんですよ。妻が作り置きをする時間は、土曜日だったら耳鼻科など子どもが必要な時は病院に連れて行くし、そうでなければ私が公園などに二人を遊びに連れて行って確保しています。

 やっぱり育休中は、妻に家事や育児を任せっきりで妻のストレスが増えたんですよね。正直、一人目の時は私の中に「妻が家事や育児に専念するための育休」だというような思いがありました。でも、二人目が生まれ、もう子育てを一緒にやってきていたし、常に上の子も見なくてはいけなかったので「育休でも妻の負担は大きいんだな」ということを強く感じていました。もちろん妻もママ友をつくったりと楽しんでいましたが、それでも私が接待など飲み会があると「飲みにいけていいよね」と嫌みを言われることもしばしば。

 だからこそ、週末は妻が昼から女子会と称して友達を招く時には、僕が朝から夕方まで子どもたちを連れて外出することにしています。