子育てを文字通り一緒にスタートさせた猪狩夫婦は、半年間ほぼ同じくらい育児も家事も負担し、猪狩さん(夫)は今や「寝かしつけは妻より私のほうが得意」と言うほど。育休を半年間取った理由を「妊娠中の妻の大変な姿を近くで見ていたから」と話す。さらに出産の際には「妻を失うかもしれないと思った」という衝撃的な体験までした。まさに命懸けの出産に立ち会った夫、そして実際に周囲は育休にどんな反応を見せたのか、育休取得パパの本音を聞いた。

今回の革命パパ

猪狩さん 20代。IT系。第一子の出産に合わせて、約半年間の育児休暇を妻と共に取得。その後、転職し仕事復帰。学生時代から子育てに興味があったというが、実際に育休を経て子育てに自信が持てるようになったという。

養子を取ってでも子どもが欲しいと思った10代

日経DUAL編集部(以下、――) 育休を半年間取得したとお伺いしましたが、それまではどんな働き方だったのでしょうか?

猪狩さん(以下、敬称略) IT業界で、企業の使う根本的なシステムの設計から開発まで担当していました。IT系によくありがちな働き方ですが、子どもが生まれる前は、出社は10時くらいとのんびりでしたが、退社はその分遅く、夜の10時すぎまで働くのが当たり前でした。妻は国家公務員で、やはり妊娠前は深夜まで働くことも多く、お互いに夜まで仕事に没頭する日々だったんです。私は大学院を出て、やっと仕事をスタートしたこともあって、深夜1時すぎまで働くことがあろうとも仕事にやりがいも感じていました。

 妻は年上で、6年間交際したのちに結婚しました。もともと私は子どもが大好き。高校生の頃から「相手がいなかったら養子を取って子育てをしたい」と思っていたくらい子育てを経験したいと思っていたので、妻が妊娠したときはうれしかったですし、育休も取りたいと思っていました。

―― 高校生のときに、養子まで考えていた男子は珍しいでしょうね。一体その原体験はなんだったんでしょうか?

猪狩 私自身は二人兄弟だったのですが、親戚もみんなすぐそばに住んでいる環境で育ち、いとこたちといつも6人くらいの同世代が混ざって走り回って遊んでいました。上の子が下の子を見て、下は上のお兄ちゃんたちに憧れて、というのが日常でした。中でも一番下だった私は、いつか自分も小さい子の面倒を見たかったんですよね。自分が一緒に遊んでもらったり、世話してもらったりしてうれしかったことをそのまましてあげたいなっていう気持ちがあったんだと思います

―― では、育休を取ることに猪狩さんにとっては、自然な選択肢だったのでしょうか? 

次ページから読める内容

  • 出産で妻子を失うかもしれないという恐怖が決定づけた
  • 半年間の育休はパパが主体
  • 育児に理解のある職場を求めて育休中に転職
  • 夫婦で毎晩話し合い、「なんでやってくれないの」は絶対NG

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