パパの家事・育児参画の「先」にあるもの

さらに川元さんは「家事・育児参画の先にあるものを考えてみて」とうながします。

「一般的にママの家事負担が多い中、男性の家事・育児参画を考えてみることは大切です。ただ、その先を考えてみると『それぞれの家庭に合った夫婦の在り方』が認められることが重要ではないでしょうか。極端な例ですが、専業主夫のようなパパも、逆に家事をやらず仕事だけをするパパも、その家族できちんと合意ができているならそれでいい。でも、それによって夫婦間で問題が生じているなら、きちんとお互いに向き合って自分たちの在り方を変えていく必要があると思います」(川元さん)

機械的に家事・育児をしなければと決め込むのではなく、大切なのは自分たちにとってどんな夫婦像が最適かを見据えること。そのために大切なのは夫婦間でのコミュニケーションですが、PtoCでも悩みを抱えているパパは多いそう。この難しさに、パパはどう対処すべきなのでしょうか?

「パパが家庭の悩みを相談できる、職場でも家庭でもない第3の場所があるといいですよね。夫婦ともに仕事や育児で疲れていると、指摘につい不満や怒りがにじんでしまい、意見にきちんと耳を貸せなくなってしまいます。かっこ悪さを認めることとも繋がるのですが、ママから言われてつい反抗してしまったことでも、家庭の外の仲間たちに相談する中で受け入れられる場合もありますから。パパ自身が進んで他の家庭の情報を知ろうとすることも、転ばぬ先の杖のような効果があると思います」(川元さん)

理想のパパを考えることは、理想の家族を考えることでもあります。他の家族はどんなことで悩んでいるのか、うまくいっているパパはどんなことをしているのかを知ることが手がかりになるでしょう。

先進的な取り組みや、自由な働き方を選びやすい東京のパパが行動することで、その活動は全国へと広がっていくはずです。まずはパパ自身が家事・育児の関わり方を考え、見直すことからはじめてみませんか。

(取材・文/小沼理(かみゆ)、写真/ヤマシタチカコ)

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