子どもの教育やしつけ、変化する夫婦関係、仕事と家庭のバランスーー。子どもの成長とともに、共働きのDUAL世代には様々な難問が立ちはだかります。そんな迷えるデュアラーに「失敗したっていいじゃない。間違ったらやり直せばいいんだから」と温かいエールを送るのは、幼児教育を通して数多くの家庭をコンサルティングしてきたチャイルド・ファミリーコンサルタントの山本直美さん。連載では、家族がチームとして協力し、自分達らしい家族を形成する「ファミリー・ビルディング」の考え方を基に、DUAL世代のパパやママにアドバイスします。

今回は山本さんのボランティア仲間であるDUAL世代のパパ、米澤文雄さんとのスペシャル対談。米澤さんは東京・青山のレストラン「The Burn」で料理長を務める傍ら、男性が前向きに家事・育児に参加していくことを提案するパパの集まり「NPO法人スーパーダディ協会」に所属。子どもの食育など「食」をテーマとした様々な社会的活動にも携わっています。パパ同士のネットワーク、お料理が苦手なパパでもできる簡単メニュー、夫婦ゲンカから自身のキャリアまで、様々なテーマについて、山本さんと語ってもらいました。

レストラン「The Burn」エグゼクティブ・シェフの米澤文雄さん(左)とチャイルド・ファミリーコンサルタントの山本直美さん(右)
レストラン「The Burn」エグゼクティブ・シェフの米澤文雄さん(左)とチャイルド・ファミリーコンサルタントの山本直美さん(右)

休日には子どもたちと料理を楽しむパパ・シェフ

日経DUAL編集部(以下、――) 山本さんと米澤さんは同じボランティアを通して知り合ったそうですね。

山本直美さん(以下、山本) 私がプライベートで参加しているものなんですが、小児病棟に入院中の子どもに付き添う親御さんに、温かい食事を提供するボランティアがあるんです。米澤さんは立ち上げ段階から、かかわっていらっしゃいましたよね?

米澤文雄さん(以下、米澤) そうですね。病気だったり発達がゆっくりだったりする子どもを育てるお母さんを応援するNPOの「キープ・ママ・スマイリング」の方から話を聞いて、入院中の子どもの付き添いをする方へのミールプログラムにシェフとして協力しています。

山本 子どもの付き添いをされている親御さんって、外出もあまりできないし、まともな食事が取れないんですよ。精神的にも辛いし、中には体調を崩される方も出てくるんですよね。

米澤 付き添いをしていると、温かい食事がなかなか食べられないんですよね。僕はこのミールプログラムで提供するメニューの作成と食材の発注、数名のボランティアの方たちへの調理指導を担当していまして、毎回40〜50名分の夕食を作っています。