子どもとの関係も、やっぱり土台は夫婦仲
米澤 もちろん「自分が正しい」と思っているときは、衝突することもありますよ。どっちも譲らないときは、娘に「どっちが正しいと思う?」と聞いてみることがあります。
山本 えーっ、面白い! 娘さんは、どう反応されるんですか?
米澤 「今回はパパが悪いんじゃない?」って。「違うんだよ。こうこうこうで」って説明すると、「でもさー、今回はパパが謝ったら?」って冷静にアドバイスしてくれる(笑)。
山本 子どもって夫婦の会話をすごくよく聞いているし、善悪のジャッジもだいたい間違っていないんですよ。保育園や幼稚園の先生方は、家庭での夫婦ゲンカの話を園児たちから山ほど聞かされています。
米澤 僕は、ママがパパの悪口を子どもに聞かせ始めるとヤバいと思うんですよね。特に女の子の場合、ママがパパのことを「汚い」とか「クサい」とか言い始めると「お父さんは汚くてクサいものなんだ」ってすり込まれる。そうすると思春期を迎える前にパパ離れが加速してしまう。子どもとの関係も、やっぱり土台は夫婦仲なんですよね。
山本 みなさん、子どもの前で「ケンカしちゃいけない」と思うんですけど、別にケンカを見せたっていいんです。大切なのは、夫婦が仲直りするところまで見せること。そこまでできれば、家族にとってもストレスが溜まらない。無言でトゲトゲしながらすれ違っている両親を見るほうが、子どもにとってはきついんです。
―― 後編に続きます。
取材・文/澤田聡子 写真/川田雅宏
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