子どもの教育やしつけ、変化する夫婦関係、仕事と家庭のバランス――。子どもの成長とともに、共働きのDUAL世代にはさまざまな難問が立ちはだかります。そんな迷えるデュアラーに「失敗したっていいじゃない。間違ったらやり直せばいいんだから」と温かいエールを送るのは、幼児教育を通して数多くの家庭をコンサルティングしてきたチャイルド・ファミリーコンサルタントの山本直美さん。連載では、家族がチームとして協力し、自分たちらしい家族を形成する「ファミリー・ビルディング」の考え方をもとに、DUAL世代のパパやママにアドバイスします。

「最近、めっきり体力が低下している……」と悩むDUAL世代に向けて、今回のテーマは「働くママの体のメンテナンス」。毎日の疲れとストレスをどうリセットするか、山本さんに聞きました。

相談「家事と仕事と育児を毎日回すだけで精いっぱい。疲れが取れません」

Q. 平日の朝は保育園の支度、仕事が終わっても家事と子どもの世話で一日の終わりには疲労困憊(こんぱい)。もっと体力をつけたいけれど、週末も疲れ果てて運動する気になれません。(東京都・女性)

A. 子育て世代は体が変化する時期。「疲れて当たり前」ということを念頭に置いて、“自分ファースト”の食事や時間を意識的につくることも大事。またジムに行くなど特別な運動をしなくても、「歩く」ことで基礎体力はつくれます。

 新年度が始まりましたね。寒かった冬が終わり、ぽかぽかと気持ちのいいお天気の日が多くなってきました。気候の面では心身が開放されるような気持ちになる季節ですが、日常生活では親も子も新しい環境に慣れるのが精いっぱい。疲労困憊という状況に陥りやすい時期でもありますね。

 子育て期のママたちにとって、自分自身の体のメンテナンスは一番後回しにされがちかもしれません。これまでたくさんのご家族を見てきましたが、2人目、3人目と出産を経験したママは、加齢もあってか、どんどん体力が落ちていく傾向があるように感じます。カルシウム不足や免疫力の低下など、医学的な要因も大きいでしょう。出産は、子どもが元気に生まれることを第一に考えるものですが、同時に自分の体にも大きな影響があることを忘れないでほしいと思います。

 「子育て世代」というと、だいたい20代、30代、40代が中心だと思いますが、この「子育て世代」の中で年代をまたぐ方もたくさんいらっしゃいます。子育てをしている間に起こる著しい体の変化に戸惑う方も多いのではないでしょうか。

 変化する中で、自分の心や体のメンテナンスまで意識するのは大変です。でも、心身ともに健康でいるための“自分なりのルール”を持つことができている人は、子育てに向き合う力も発揮できているように思います。逆に、そこがうまくできていないと、自分の力を発揮することが難しくなってしまいます。