子どもの教育やしつけ、変化する夫婦関係、仕事と家庭のバランス――。子どもの成長とともに、共働きのDUAL世代にはさまざまな難問が立ちはだかります。そんな迷えるデュアラーに「失敗したっていいじゃない。間違ったらやり直せばいいんだから」と温かいエールを送るのは、幼児教育を通して数多くの家庭をコンサルティングしてきたチャイルド・ファミリーコンサルタントの山本直美さん。本連載では、家族がチームとして協力し、自分たちらしい家族を形成する「ファミリー・ビルディング」の考え方を基に、DUAL世代のパパやママにアドバイスします。

 第1回のテーマは、ズバリ「夫婦仲」。「最近、子どものこと以外の会話がない」「家事分担でケンカが絶えない」「お互いへの不満がたまっている」……などの危険な兆候はありませんか? 山本さんに子育て期の夫婦が擦れ違う理由と対応策について聞いてみました。

相談「夫婦でケンカや言い争いが絶えません!」

Q. 最近、家事分担やいろいろな面でお互いの不満がたまって雰囲気が常にギスギス。ケンカや言い争いが絶えません。どうすれば夫婦仲良く、協力して共働き育児ができるでしょうか?

A. 忙しい子育て期の夫婦が「擦れ違う」のは当然。それを前提に「夫婦それぞれが心の余裕を取り戻す自分の時間をつくる」「夫婦がリラックスして対話できる時間を必ずつくる」ことを心掛けて!

 年が明け、新しい年を迎えました。今年は平成最後の年でもあります。天皇皇后両陛下のお互いを思いやるお言葉などが聞こえてくるたびに、本当にステキなご夫婦だなと思います。

 昨年末は中田敦彦さんの「良い夫やめました」が話題になりましたが、子育て期の夫婦がお互いを尊重して向き合いながら“自分たちらしい家族”を築いていくことは、非常に難しいことだなと感じます。

 家族にも発達・成長の段階があり、「子育て期の夫婦は擦れ違うものだ」ということをあらかじめ想定しておくことも大切ではないでしょうか。今回は、仲の良い夫婦でいられるために気を付けたいこと、忙しい日々の中での夫婦の「対話」のコツについて、お伝えしたいと思います。

 子育て期の家族は、子どもの誕生から成長に合わせ、生活スタイルが変化していきます。大人だけの生活だったところに、子どもが生まれたことで今まで通りにいかないことがたくさん出てきます。

 乳幼児期は特に手がかかることも多く、目が離せない時期ですね。好きなだけ寝たい、好きなことがしたいなど、ささいなことであっても自分の思い通りにならないかもしれません。疲労とストレスがたまっていると、頭では分かっていても相手へ思いやりのない言葉を掛けてしまいがち。お互い仲良く過ごしたいと思っているのに、なぜか悪いほうに会話が進んでしまいます。

 夫が家事や育児に積極的に取り組むべく頑張っても、妻が求める水準が高くなりなかなか追いつかない――最近はそんな声も男性から聞こえてきます。女性はそんなに無理な要求をしているのでしょうか? 仕事をして家事をして子育てをして……とにかく毎日の生活を回すことで疲れ果てているのではないかと思います。