ストレスと余裕のなさが夫婦仲を悪化させる

 夫婦に起こりがちな「擦れ違い」にはメカニズムがあります。

 女性側に起こりやすいのは、「やってくれない、分かってもらえない」そんな気持ちから発生する不満です。精神的・経済的にも自立し、さまざまな人生や選択肢がある中で葛藤するママは増えているのではないでしょうか。

 しかし、自分ばかりに負荷がかかっていると感じている人にも、実は「すべてがきちんとしていないと気が済まない」という心理が見え隠れすることもあります。“良い奥さん”でいたい、“家事をやらない人”と周りから思われたくない、親に自分がしてもらったように自分の子にもちゃんとしてあげたい……そんな深層心理から、完璧にできていないと罪悪感を持ってしまう人も多いように感じます

 そして、子育ては初めてのこと、分からないことや思い通りにならないことが山のように出てきます。対応できない自分に自信をなくし、感情が揺れ動きがちになります。こういう場合は不安なときの自分の気持ちの取り扱い方を覚えておくといいですね。「人に話を聞いてもらう」「自分に向き合う時間を作る」「本を読んで知識を付ける」など、自分なりに心が落ち着けられる方法を自覚的に見つけておくことをおすすめします。

 一方の男性はというと、出産という身体的な体験をした女性のレベルまでなかなか意識がそろわず、パパの自覚を持つのに時間がかかることもあります。また、感情をダイレクトな言葉にすることに慣れていない日本人男性は、言葉や態度で優しさを表現することが苦手という面もあります。

 夫婦間のコミュニケーションといえば、知人が学生の頃にホームステイしたアメリカで体験したというエピソードを思い出します。ある日ステイ先の夫婦が夫婦げんかをして言い争い、ママが部屋を出て行ってしまったとき、びっくりして泣いてしまった子どもにパパがかけた言葉は「僕はママのところに行ってくるから、君は待っていてね」。子どもを置いて真っ先にママのケアをしに行ったのを見て、とても驚いたそうです。これが日本であれば、まず泣いている子どものケアを先にする人が多いですよね。「良好な夫婦関係が家庭の基本」という欧米の価値観を知った出来事だったそうです。

 また「女性がバリバリ働き、夫が専業主夫をする」「女性の収入が高くメーンの稼ぎ手になっている」など、家族にもいろいろなパターンが増えてきましたが、まだまだ日本の男性は“自分が家計を支えなければならない”というプレッシャーを抱えがちなのだと思います。そして、パパたちの意識や行動が変わっても、企業の上層部にはそうした状況を理解せず、ひと昔前の考え方を持つ世代もたくさんいます。

ママもパパも慣れない環境に葛藤している
ママもパパも慣れない環境に葛藤している