母との対話で見えた支配の連鎖 虐待認識なくショック受ける

 大きな転機となったのが、2018年の春ごろから「不登校新聞」やひきこもり当事者の作るメディア「ひきポス」に、生い立ちなどの記事を書き始めたことです。

 「過去をいろいろな角度から思い起こすうちに『あの時、母は私のことをどう思っていたんだろう?』という疑問が湧き、聞いてみるようになりました」

 しかし、首を絞められたことを「つらかった」と涙ながらに訴えても、返って来たのは「私も母親に同じようなことをされていた。大したことじゃない」。

 母親も、祖母に精神的に支配されていました。祖母の気に入った相手と結婚したものの、夫婦仲は良いとは言えません。支配の連鎖と孤独な子育てが、虐待や過干渉につながったのだと、ゆりなさんは推測します。

 母親の口から、ゆりなさんのつらさに寄り添い、慰める言葉が語られたことはありません。一時は、虐待の認識すらないことにショックを受け、母親を理解したい、許したいという感情も薄れました。それでも、対話を諦めたくはないといいます。

 「母親と向き合わなければ、『なぜ私はこんなに苦しいのか』とモヤモヤしたままで、前に進めないのです」