ひきこもりの子どもを抱える親が、子どもの「自立」を支援する団体や施設に助けを求めることは少なくありません。しかし、そんな親の苦悩につけ込み、高額な利用料を請求し、入所者を事実上の軟禁状態に置く悪質な業者が問題になっています。ひきこもり当事者たちの訴えで、明るみに出てきたケースもありますが、弁護士は「同じような施設は、少なくとも全国に数カ所はある」と警告しています。今回は、被害に遭ったあかりさん(仮名、30代)の体験を紹介します。あかりさんは、親たちへ「子どもを安易に施設へ託さないで」と訴えます。

施設職員が自室ドア壊して侵入 施設へ

 関東地方に住むあかりさんは、これまで連載に登場した当事者たちのような、長期のひきこもり経験はありません。あかりさんは、未経験の職種に転職したことをきっかけにうつ状態となり、2018年夏に静養のため実家に戻りました。

 帰省後、母親は毎日のように、「能なし」「殺してやる」などと娘を何時間も罵倒し続けました。父親の暴力もあり、あかりさんは部屋に閉じこもるようになります。

 「友人たちとは電話やネットを通じてつながっていましたが、母親の目には無職のひきこもりに見えたのでしょう」(あかりさん)

 18年12月のある朝、入浴していたあかりさんは突然、母親に呼び出されました。あわてて服を着て出ていくと、見知らぬ男女5人が現れました。「自立支援」を掲げる、ある施設(東京都)が送り込んだ職員たちでした。

 「カウンセラーの人が、あなたを自立させに来たよ。お金は振り込んでおいたから」と、親は言いました。怖くなったあかりさんは自室に逃げ込みましたが、5人はドアを壊して侵入してきました。

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次ページから読める内容

  • 監視の目盗んで逃亡、でも警察も助けてくれない
  • 脱走後もPTSDに苦しむ
  • 物理的に引っ張り出すのではなく「意思」を引き出す支援を
  • 相次ぐ訴訟、「同じような施設は全国にある」

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