名僧・松原泰道を祖父に持ち、東京都世田谷区野沢にある「龍雲寺」第12代住職をつとめる細川晋輔さん。2歳の娘さんを持つパパでもあります。龍雲寺は「臨済宗」という禅宗のお寺です。禅宗の長い歴史の中で、多くの禅僧たちが「心を調えるために」伝えてきた言葉は「禅語」と呼ばれています。「こんなとき、どうしたらいいのかな」子育てにちょっと戸惑いを感じたときに、「心のサプリメント」として効く禅語を紹介していきましょう。

 こんにちは! 早いものでもう夏休みですね。長いお休みに入ると、子どもの心もついついゆるみがち。一日の過ごし方を決めてはいても、なかなか予定通りに勉強が進まなかったりするものです。自由研究なども、子どもが自ら「夢中になれるもの」に出合ってくれればいいのですが、なかなかそう簡単にはいきません。でも何か目標を持って過ごしていかないと、毎日お友達とだらだら遊んで一日を終えてしまったり、なんとなくテレビを見たり、ゲームをしたりしているうちに夏休みが終わってしまいます。大人になったら、こんなにぜいたくで長いお休みなんてあり得ませんからねえ……。もったいない!

 今回まずお話したいのは「随所作主立処皆真(ずいしょにしゅとなれば、りっしょみなしんなり)」 という禅語についてです。どこに行っても自分自身が主体性を持っていることが大事なのですよ。そうすれば、自分の行いに本当の意味を見いだすことができるのです、という言葉になります。