たとえ落ちても、笑顔で終えられたら成功

 メリット その4 

 万一失敗した場合でも、挫折経験が今後の原動力になる

 「中学受験をすれば必ず受かるという訳でなく、第一志望の合格がかなえられないどころか、どこにも受からない可能性もある。ただ、本気で頑張った結果であれば、そうした挫折経験からも学べることはたくさんあります」と石井先生は言います。

 「私が知っているお子さんの中で、中学受験に失敗して公立中に進んだ子がいます。彼は、悔しさをバネに中学校でものすごく頑張り、高校受験で難関校に合格することができました。中学時代に必死に頑張ることができたのは、中学受験で挫折した悔しさがあったからこそ。

 挫折というと避けるべきもののようにとらえられがちですが、そもそも挫折は人生にはつきもの。数多くの挫折を乗り越えてこそ、人は大きく成長します。そういう意味では、小学校6年生で大きな挫折を経験することも、一つのいい経験になると言えると思います」

 ちなみに、「第一志望校に落ちたり、全滅したりしたとしても、親子とも笑顔で終えられたら失敗でなく成功です」と石井先生は指摘します。

 「結果的に第二志望校や第三志望校に通うことになっても、『ここが縁のあった学校だよね。よく頑張ったね』と親子で笑うことができたら、幸せな結末だと思います。また、どこにも受からず地元の公立校に行くことになった場合でも、親が『高校受験に向けて、中学校でも頑張ろう』といった声かけができ、子どもがそれに対して前向きに応じるようなら、いい終わり方だと言えるでしょう。逆に、親ががっかりした表情を見せてしまうと、子どもの心に大きなダメージを与えることになる。子どもが受験に落ちたときこそ、真の親力が問われるといっても過言ではないと思います」(石井先生)。

 次に、中学受験の主なデメリットを見ていきましょう。

「何でも親のせいにする子」になる危険性も

 デメリット その1 

(親が関わり過ぎてしまうと)子どもの主体性が育たない。親子関係が悪化する可能性も

 「メリット その2」の裏返しになりますが、親が中学受験に関わり過ぎてしまうと、子どもの主体性が育たない、それどころか依存度が高まってしまうというデメリットがあるようです。

 「子どもに『こんな学校があるよ』などと選択肢を示してあげるのはいいですが、親が子どもの進路を一方的に決めてしまうのはとても危険。子どもが主体性を持たなくなってしまうからです。子どもも11~12歳くらいになると思考力が深まるため、親が何を望んでいるかを子どもなりに感じ取るようになります。親の期待に応えようとするあまり、自分で考えて自分で人生を進めていくことを止めてしまうこともあり得るのです。親のために勉強をして、親のために受験するといったことになってしまうと、子どもの人生にプラスには決してならないでしょう。

 また、第一志望校に受かっても進学後にその学校が合わなかったりすると、『自分は本当は受けたくなかったのに、お母さんのせいだ(お父さんのせいだ)』などと、何でも親のせいにするというクセがついてしまうこともある。親子関係が悪化する可能性も高くなります

 自分の人生は、何歳であれ自分に責任を持たせたほうがいい。親からすると、『この子にはこの学校が合っているのではないか』と決めてあげたくなると思いますが、最終的には子ども自身が決めるべき。子どもが自分自身で決めたことなら、たとえその後の人生にどんなことが起こっても、納得して受け入れることができます」(鈴木先生)