NHKの朝ドラ『ふたりっ子』に出演して以来、姉の茉奈さんと共に、双子の子役として全国区の人気者になった三倉佳奈さん。芸能活動が忙しくなっても学校の行事にはすべて参加し、「普通の学生生活」もきちんと送れたと振り返ります。勉強も「仕事のせいで成績が下がったと思われたくない」と両立が発奮材料に。さらには茉奈さんとの強烈な競争心も頑張りに火を付けたそうです。
小さい頃から学校と仕事の両立をやってこられたのは、今振り返ってもよかったと思います。小中高を通して勉強も仕事もするのが当たり前だったし、それをつらいと思ったことはありません。
最初に私と茉奈を劇団に入れてくれたのは両親ですけれど、5歳で初めてCMに出させてもらった時に、その現場がすごく楽しくて、「こういう撮影の仕事をずっとやりたい」と5歳なりに思った。それが出発点になって、今まで続けてきました。
仕事をしていたために普通の学生生活を送れなかった、みたいなことはありませんでした。それは、NHKの朝ドラ「ふたりっ子」で出会ったスタッフが素晴らしい方たちばかりだったことが大きかったです。
「忙しくなっても、学校にはちゃんと通いなさい」
チーフ演出の方は事あるごとに母と私たちを呼んで、「放送が終わって、もしかしてすごく有名になってお仕事がいっぱい来るかもしれない。でも、学校にはちゃんと行かせてほしいし、行きなさい」と、繰り返し言ってくださいました。
ドラマの撮影期間中にも学校で運動会があったのですが、参加できないと諦めていたんです。そうしたら、「運動会は絶対に行ったほうがいい」と、わざわざ予定していた撮影をストップして参加できるようにしてくれました。仕事と学校の両立についてそういうスタンスができたこともあって、その後も中学、高校と、運動会や学園祭、遠足など、参加できなかった行事は一つもありません。所属事務所の人たちがいろいろ対応してくれたおかげでもあるし、本当にありがたかったなと思います。
母も「普通の小学生や中学生と変わりないんだから」という考えで育ててくれましたし、学校の友達もごく自然に接してくれていました。