大学はやりたいことがあれば別のところでもいいよねって話していたんです。それで別々に探していたけれど、二人とも社会学部が希望で、それだったらここだね、ということで結果的に一緒に受けて合格しました。親としては一人が受かって一人が落ちるのが一番つらいので、とにかく二人とも受かるか、落ちるかのどっちかを願っていたみたいです。
ちなみに、運転免許の試験では二人一緒に学科試験に落ちているんです。普通だったらがっかりするものだと思いますが、母は「やったー! 二人で落ちたね。じゃあ帰ろう!」って大盛り上がりで。一人で落ちたらたぶんすごく落ち込んだと思うので、それは心強かったです。次はめでたく二人とも合格しました。
二人一緒だから、暗くなりがちなことも楽しく変換できたことはよくあったなあと思います。
子どもたちには、「自分」が心からやりたいことを見つけてほしい
私が子どもたちに「これだけは大事にしてほしい」と願うこと。それは嘘をついたり、人をだましたり、ずるい人にはなってほしくないということです。あとは、私が両親や仕事で出会った人たちのおかげでそうできたように、周囲の顔色をうかがったりすることなく伸び伸びと育ってほしい。誰に言われたからでもなく、「自分がやりたいからこれをやるんだ」というものを見つけてくれるのが理想です。
子どもが芸能活動をすることは、あまり賛成できないです! 今までの話と矛盾しますか?
私自身の経験には全く後悔はないし、子どもの頃から芸能のお仕事ができてよかったと思っています。ただ、顔を隠すことなくお買い物や遊園地に行ける、人に顔と名前を知られていない生活をしてみたかったな……というのはやっぱりすごくある。自分ができなかったことだから、余計に経験してほしいと思ってしまうのでしょうね。とはいえ結局は本人次第ですから、どうしてもやりたいっていう強い意志があるなら、1ミリくらい心が動くかもしれません(笑)。
取材・構成/谷口絵美 写真/鈴木愛子