Keep yourself alive!

 最後に。これから日本が迎える未来像は、新たに労働者として、そして生活者として増える外国人人材との共生社会です。既に地域によってはコンビニや飲食店の従業員に一気に外国籍の若者が増えているはずです。意識や学歴の高いDUALの読者がどれだけ真の意味の「グローバル化」に心を開けるかは、当たり前のように多文化・多国籍の中で働く子どもたちの意識に大きく影響します。違いを当たり前に受け止め、世界中に友達ができるっていいね! と思える子どもたちが未来の日本を作っていきます。

 校長時代、ベトナムから来たお母さんと食文化や教育の違いについて話して、いかに自分が日本のことしか知らないか思い知らされました。中国から来た子がネイティブの教師と物怖じせずに素晴らしい英語の発音で会話をし、「前の小学校では毎日英語は2時間あった」と聞いて、「そりゃ日本の英語教育じゃ追いつかんわ」と悩んだこともあります。彼が「こんなに楽しいこと学校でしていいの!?」と家庭科の調理実習や体育、音楽に目を輝かせているのを見て、日本の教育の豊かさも感じます。もはや、かつてのような「世界で活躍する人材を育てる」攻めのグローバル化ではなく、日本に来る世界中の若者を受け入れ、一緒に未来を作っていく世代なのです。

 これから5年。スマホを片手に世界とつながる子どもたちを育てていくには、親世代が頭の中を思いっきりリノベーションしなければついていけない。そしてそんな面白い時代に社会のプレイヤーであり、親でもあるって面白い。最近の合言葉は「Keep yourself alive(自分らしく生き抜くんだ)!」……すべてのDUAL読者の健闘を祈ります。

学校回りをしていて見かけた学級の合言葉。「やるときはやる」そして「やらないときはやらない」。まさにワークライフバランスにも必要な一言でした(笑)
学校回りをしていて見かけた学級の合言葉。「やるときはやる」そして「やらないときはやらない」。まさにワークライフバランスにも必要な一言でした(笑)