「一小学校区一里親」

 見学に行った施設では、家庭的な雰囲気をつくる努力をしていて、集団生活の中で関わり合って生活している様子を見ることができた。それでも、多くの子どもたちが「一対一の、信頼できる大人との関係」「家庭的な環境での生活」を必要としている。国も里親委託率について「3歳児までは5年以内、就学前の子どもは7年以内に75%にする」と、現状の15%から思いっきり高い目標を示した 。ビジョンを作った人たちの本気を感じる。

 2017年の調査では、里親の4割が共働き世帯とのこと。まだ、里親は増やせる。もちろん、引退した団塊世代も担い手になれるし、なってほしい。区長として話す場では「『かわいそう』で終わらせないで、一歩先に行こう」と訴え続ける。

 「一小学校区一里親」

 里親委託率75%を目標に置きつつも、まずは緊急性の高い子どもを地元で預かれる環境を目指している。

子育てで相談相手が欲しいときは、自治体にも頼ってみてほしい


《区長に質問!コーナー》

「子育てに疲れた」「子どもの発達が気になる」……相談に乗ってほしいときは?

【山口区長からの回答】

 住んでいる自治体の名前(「〇〇市」や「〇〇町」)と、「子育て相談」で検索してみてください。総合窓口を持っているところ、地域ごとに区役所や保育所に相談窓口を置いているところ、メール相談を受け付けているところなど、対応は様々ですが子育て相談の窓口は必ずあります。ちょっと勇気を出して、面談での相談も利用してみてください。保健師や臨床心理士など、悩みに応じた専門家による相談や、就労支援や法律相談といった相談窓口もあります。私自身、区長になって初めて「行政ってこんなにきめ細かい相談窓口や支援があるんだ!」とびっくりしたほどです。中には、使い勝手の悪いものもあるかもしれませんが、まずは知って、積極的に使ってほしいと思います。自治体の広報紙やサイトにも子育てに役立つ情報が詰まっていますので、チェックしてみてください!