夫のつらい気持ちもわかるけれど、期待はしないことに

 この一件の後、夫婦で話し合いました。夫からは「子どものことはすごく心配で、あなたにも申し訳ないと思っているけれど、でも、無理なんだ、分かってほしい」と言われました。私もそれは分かります。彼の職場には育休を取る人もほとんどいないそうなのです。「男性の育休取得」「働き方改革」が叫ばれていても、まだそういう職場もあります。その職場にいる人も「どうにか変えていきたい」と悩んでいるのです。ですから、「現時点では無理だね」と私も言いました。

 いや、私もキレていましたから「もう分かった! でも、裏切られるのはつらいから、もうあなたには期待しない」と言ってしまったのですが…。

 さて、その後、私は、重要なアポイントを入れるときは、義母のスケジュールを確認し、シフトが入っていない日に約束するようにしています。何かあった時はおばあちゃん頼み。本当に義母には頭が上がりません。

 そして「仕事を休んで甥っ子たちをみてあげる」と申し出てくれた義姉からは後日、「ピンチの時には私にも頼ってね。こんなに可愛い時期も短いから、たまには私も面倒見たいのよ」というありがたい言葉をかけてもらいました。「子どもはみんなで育てるもの」という言葉を聞いたことがありましたが、核家族で暮らす身には正直ピンと来ない感じがありました。けれどもその言葉の温かみを実感することができた今回の一件でした。

 けれども「休めなくても仕方がない」という働き方観は、まだまだ残っているのも現実です。今後パパになる男性とその家族のためにも、少しずつでも変わっていくといいなと思っています。

雨の日や長期の休み中など、たまにやる布団のお山遊び。成長と共に山の傾斜もアップしています(画像は本多さん提供)
雨の日や長期の休み中など、たまにやる布団のお山遊び。成長と共に山の傾斜もアップしています(画像は本多さん提供)

(撮影/花井智子)