日本を含むアジアの習い事の状況は世界的に見たら特殊
「世界標準の子育て」をブログや著書を通じて発信している船津徹さんは、「世界標準の子育て」の根幹となる3つの条件に「自信」「考える力」「コミュニケーション力」を挙げています。そして習い事は子どもが自分の努力によって獲得していく「根拠のある自信」を受け取るために重要だといいます。
ただし、日本やアジア圏で現在、就学前から“勉強系”の習い事に力を入れる家庭が多いのは、グローバルで見ると特殊な状況だと指摘しています。
「習い事は勉強系、スポーツ系、それからパフォーミングアーツ系の3つに大別できるでしょう。日本をはじめとするアジアには勉強系の習い事といえる、幼児の知育教室がたくさんあり、全般的に“勉強系の先取り”を好む傾向が強いといえます。これは特殊な状況で、もちろん欧米でも同じような面はあるものの、そもそも欧米諸国の場合、例えばモンテッソーリにしてもシュタイナーにしても、知育は学校のプログラムに組み込まれているものですから」
いわゆる算数や国語などの勉強系を先取りする場合、アジア圏なら学習塾や幼児教室に通わせるところを、欧米では家庭の中で親が教えたり、外国語を教えたり算数を教えるために、家庭教師を呼んだりするのが一般的だそうです。
「そもそも西洋的な考えでは、勉強を小学校に上がる前に教え込むということは一般的にしないんです」と船津さん。
とはいえ勘違いしてはいけないのは、算数や国語などの勉強系が無駄だということではないということ。算数や国語の基礎となる「読み書き、計算」の先取りは、子どもの「自信」を育てるために、小学校に入る前にしておくべきだというのです。
なぜでしょうか。
次ページから読める内容
- 結局、勉強のできる子は先取りしている子
- 習い事は身体的、体力的、性格的特徴を見極めて選ぶ
- すぐにやめてしまう理由は“他の子よりできない”から