2020年の大学入試改革、2030年問題も視野に入れた習い事
前々回、前回と、日経DUALの読者のみなさんに、子どもの習い事に関するアンケートを行った結果をお伝えしてきましたが、その中で最も多かった「経験済みの習い事」は水泳で、続くピアノ、英語ともに2015年の調査に近い結果が得られました。一方で「今興味のある(知りたい)習い事(複数回答可)」として「プログラミング教室」(29.9%)、「サイエンス教室」(22.3%)が上位になるなど、新しい流れを感じる習い事が増えていることも感じられます。
背景には2020年の大学入試改革や、人口の3分の1が高齢者になるという2030年問題もあるでしょう。今、保育園に通う子どもたちが20歳になるころの社会は、若者が圧倒的に少なく、しかも大きな変化が起きる中で「社会を生き抜く力」をつける必要性がますます高まると考えられています。
そこで、「コミュニケーション能力」や「問題発見・解決の手法や主体的に考える力」を身につけられるような習い事が求められ、提供されるようになってきているようなのです。
特に注目されるのが「考える力」をつけるための習い事と、ビジネスでも役立つ「PDCAサイクル」、つまり「Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)」というサイクルを活用する、あるいは活用できるようにするための習い事です。
なかでも躍進しているのがサイエンス系といえます。
【サイエンス系】大手が続々参入
サイエンス系(科学実験教室、理科実験教室など)の教室は、まさに「考える力」を身につけさせることができると人気の習い事の一つです。この数年で、栄光やベネッセホールディングス、学研といった、大手が続々教室を展開しています。いずれも単なる「理系人間」を育むことを目的としているのではないのが特徴です。
次ページでは具体的な教室を見ていきましょう。