全く問題がない“完璧”な家庭はありません。子どもの成長とともに訪れる課題に全員が「チーム」として取り組み、自分たちらしい家族を形成することーーそれが「ファミリー・ビルディング」の考え方です。幼児教育を通して6000人以上の子どもと接し、数多くの家庭をコンサルティングしてきた山本直美さんが、悩めるデュアラー世代へアドバイスします。今回のテーマは「男の子の育て方」。元気いっぱいパワー全開タイプの男の子のパパ・ママからは「すぐお友達に対して手が出たり、乱暴したりするので謝りっぱなし」、甘えん坊さんタイプのパパ・ママからは「親のそばから離れたがらない。もう少し活発になってほしい」など、それぞれ、お悩みが尽きません。男の子のタイプや資質に合わせた育て方について、山本直美さんにアドバイスをもらいました。

◆山本直美さんの連載「山本直美のHAPPY ファミリー・ビルディング」も併せてお読みください!◆
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「うちの子ってどうしてこうなの?」と悩む前にわが子をよく観察

 こんにちは。チャイルド・ファミリーコンサルタントの山本直美です。

 2学期も半ばになり、運動会やバザー、音楽会など、行事が続く季節ですね。気候的に過ごしやすく、気持ちも盛り上がる楽しいシーズンですが、疲れがたまりやすい時期でもあります。メリハリをつけながら、日々を過ごしたいですね。

 園や学校の行事などで、お子さんが集団の中で過ごす様子を目にする機会があると、良くも悪くも色々なことが気になってしまうのが親心です。運動会や音楽会などの特別な機会でなくとも、朝夕の送迎などで、毎回大泣きするわが子の様子に心配な気持ちになったり、お友達に対して手が出てしまったという先生からの報告に悩んでしまったり。特にママにとっては、異性である男の子には手を焼くことが多く、「どうしてうちの子は……」「自分の育て方がよくないのかしら……」と、自己嫌悪に陥ってしまいがち。

 でも、悩む前に、まずはお子さんのことをよく観察してみましょう。「やんちゃ過ぎる」「甘えん坊過ぎる」とパパやママが気になっているお子さんの行動も、本人の持つ資質からきており、好きな遊びとリンクしていることがよくあります。

 例えば、やんちゃなお子さんは、「体を動かす遊びが大好き」ということはないでしょうか? 一方で、甘えん坊のお子さんは「頭を働かせて考える緻密な遊びが大好き」ということがよくありますね。やんちゃなお子さんは考える前にまず体が動くタイプ、甘えん坊のお子さんは、動く前に考えるタイプなのでしょうね。

 パパやママが「やんちゃ過ぎる」「甘えん坊過ぎる」と気になるようなら、遊びを通じて少しずつバランスを取っていくこともできます。

 やんちゃなお子さんには、折り紙やブロックなど「静」の活動をする時間を日常生活の中で少しずつ増やして、じっくり考えることを覚えさせていくとよいでしょう。逆に、甘えん坊で緻密なことをするのが好きなお子さんには、体を動かす「動」の活動をする時間を増やし、遊びが「動」や「静」のどちらかに偏ってしまわないように全体的なバランスを取っていくと、気になる行動も落ち着いていきます。

 まずは、お子さんの行動は、本人の資質からくる個性でもあると捉えたうえで、男の子への関わり方について考えていきましょう。