街で見かけた、30代と思しきスーツ姿の男性2人。「きつく叱っちゃった後で反省して…」「あるよなあ。けど話してもまだ通じないしさ…」と静かに子育ての悩みを語り合っていた。わかる、幼児期の育児はほんとに大変だ。

 休日ともなれば、家族連れで賑わうおっしゃれな街でベビーカーを押している男性や、お腹に赤ちゃんをくっつけて歩いている男性を見かける。15年前にはパパ用抱っこ紐を手に入れるのも一苦労だったのだから、すごい進歩だ。

男性たちよ、子どもと出かけて日本の風景を変えてくれ

 たとえ妻からはイクメン気取りの子育てプレイとなじられようと、青山・六本木も“子連れアリ”だと思う男性が増えたのは素晴らしい。今じゃ男も育児するのだと、さすがにどんな鈍感な人でも気がつき始めただろう。見慣れる、って大事なことだ。

 男性たちには今後とも、どんどん子どもと出かけてほしい。それも、ママ抜きで。男同士、育児の悩みを愚痴ってほしい。電車や社食やスタバなんかの、人目につく場所で。そして日本の風景を変えてほしい。ときに孤独な修練であり、ひとたび外に出れば衆人環視の裁きの場となることもある育児の現場を、開かれた日常に変えてほしいのだ。

山歩きの父子ら。息子たちの記憶には、途切れることなく父親の姿が刻まれている。出稼ぎ暮らしの私よりも、今や夫の方が息子たちとはるかにたくさんの思い出を共有しているはず。ときどきそれが妬ましくて、夫に絡んでしまうことがある。
山歩きの父子ら。息子たちの記憶には、途切れることなく父親の姿が刻まれている。出稼ぎ暮らしの私よりも、今や夫の方が息子たちとはるかにたくさんの思い出を共有しているはず。ときどきそれが妬ましくて、夫に絡んでしまうことがある。